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吝嗇
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りんしよく
ふりがな文庫
“
吝嗇
(
りんしよく
)” の例文
一つフロツクコートで
患者
(
くわんじや
)
も
受
(
う
)
け、
食事
(
しよくじ
)
もし、
客
(
きやく
)
にも
行
(
ゆ
)
く。
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
れは
彼
(
かれ
)
が
吝嗇
(
りんしよく
)
なるのではなく、
扮裝
(
なり
)
などには
全
(
まつた
)
く
無頓着
(
むとんぢやく
)
なのに
由
(
よ
)
るのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
斷
(
ことわ
)
りければ當家に
幼年
(
えうねん
)
の頃より奉公して番頭と迄
出世
(
しゆつせ
)
をなし忠義
無類
(
むるゐ
)
世間
(
せけん
)
にて伊勢屋の
白鼠
(
しろねずみ
)
と云ひ
囃
(
はや
)
し誰知らぬ者も無き評判の久八は日頃より主人の
吝嗇
(
りんしよく
)
なるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
悪い意味に使つて置いて、いかんいかんと威張つてゐるのは、菜食を
吝嗇
(
りんしよく
)
の別名だと思つて、天下の菜食論者を悉しみつたれ呼はりするのと同じ事だ。そんな軽蔑が何になる。
芸術その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
文次郎とお菊は、素より繼母の深い心も知らず、唯もうお嘉代の世にも
稀
(
まれ
)
なる
吝嗇
(
りんしよく
)
に愛想を盡かし、日頃心ひそかに怨んで、暫く江戸から姿を隱さうと、相談してゐるのでした。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一三
庁上
(
ひとま
)
なる所に
許多
(
あまた
)
の
金
(
こがね
)
を
布
(
し
)
き
班
(
なら
)
べて、心を
和
(
なぐさ
)
むる事、世の人の月花にあそぶに
勝
(
まさ
)
れり。人みな左内が
行跡
(
ふるまひ
)
をあやしみて、
吝嗇
(
りんしよく
)
一四
野情
(
やじやう
)
の人なりとて、
爪
(
つま
)
はじきをして
悪
(
にく
)
みけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
僕はなぜ父はそんなに
吝嗇
(
りんしよく
)
だらうかなどと思ひながら父の後ろを歩いたのであつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
思慕渇仰に燃えた狂信的な古の修行人の敬虔なる衝動とは異つた
吝嗇
(
りんしよく
)
な心からではあるけれども、圭一郎は、吸さしのバットの上に熱い涙を、一滴、二滴、はふり落すこともあるのであつた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
張
(
はら
)
んと思ひ日夜
工夫
(
くふう
)
なし居たりしが茲に甚兵衞は先頃より
日雇
(
ひよう
)
などに
雇
(
やと
)
はれし
南茅場
(
みなみかやば
)
町の
木村道庵
(
きむらだうあん
)
と云醫師あり
獨身
(
どくしん
)
なれども大の
吝嗇
(
りんしよく
)
者ゆゑ小金を持て居るよしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
多の市の非道と
吝嗇
(
りんしよく
)
は年と共に
募
(
つの
)
るばかり、到頭吉三郎とお濱の仲まで割いて、千兩の金が
纒
(
まとま
)
つたのを機會に、いよ/\この月のうちには、京都へ上ることに決めてしまつたのでした。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吝嗇
(
りんしよく
)
で、
慳貪
(
けんどん
)
で、恥知らずで、怠けもので、強慾で——いやその中でも取分け甚しいのは、横柄で高慢で、何時も本朝第一の絵師と申す事を、鼻の先へぶら下げてゐる事でございませう。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然
(
しか
)
るに此伊勢屋五兵衞と云は
古今稀
(
ここんまれ
)
なる
吝嗇
(
りんしよく
)
人にて其
吝
(
しは
)
き事譬ふるに物なく
所謂
(
いはゆる
)
爪
(
つめ
)
に火を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お嘉代の
吝嗇
(
りんしよく
)
を憎む心に燃え、内々は若い二人の相談相手にまでなつて居た有樣で、三日前お嘉代が
刺
(
さ
)
され、三百兩の大金が盜まれたと聞いた時、ハツと思ひ當つたのも無理のないことでした。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“吝嗇(けち)”の解説
けちは、金銭や品物を惜しんで出さないこと、また、そのような人。吝嗇家(りんしょくか)ともいい、「けち」に「吝嗇」の字を当てることもある。また、特に金銭を溜め込むことに執着する人物は「守銭奴(しゅせんど)」と称されることもある。誤った用法であるが、金に執着する人のことを「銭ゲバ」と呼ぶ場合も有る。
人物類型としてのけちは、いつの時代にも人気のある魅力的な題材であり、様々な文化において作家や芸術家が作品を生み出す豊かな主題となってきた。
(出典:Wikipedia)
吝
漢検1級
部首:⼝
7画
嗇
漢検1級
部首:⼝
13画
“吝嗇”で始まる語句
吝嗇家
吝嗇漢
吝嗇坊
吝嗇者
吝嗇奴
吝嗇屋
吝嗇爺
吝嗇臭