“金”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かね45.1%
きん38.4%
がね5.6%
かな4.1%
こがね1.9%
あし1.4%
キン0.9%
くがね0.5%
カネ0.5%
ゲル0.5%
(他:7)1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“金”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸54.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)20.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
おりから、本邸の方でどっと人の笑う声、それも一人二人ではなく、男の声にかねを切るような女の声がまじって騒がしい。
するとそこのうちの人たちは、なるほどそれはがたいが、やするといってもさしあたりおかねがない。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
蒔絵まきえではあるが、ただ黒地に亀甲形きっこうがたきんで置いただけの事で、別に大して金目の物とも思えなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……西洋せいやうことわざにも、能辯のうべんぎんごとく、沈默ちんもくきんごとしとある。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「お千絵をかどわかしたのも旅川のがねであったと見える。おお、しかも明日は、禅定寺ぜんじょうじで待ちあわせて」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お蔭さまで、助りますよ」歯の抜けたお婆さんが、臍繰へそくがねの財布を片手でソッと抑えながら、これに和した。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
耳は少し遠いようだが、かなツンボというわけではないから、お松がそばにいてあしらってくれればけっこう話の用には立つ。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうかとおもうと、かなだらいのなか金魚きんぎょおよがしているのや、いろいろでありましたが、あるところへくると
ある夜の姉と弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しろがねひもは永久に解けたのではなく、またこがねさらは償いがたいほど砕けたのでもない(6)のだ。
落花自ずから繽紛ひんぷんたり、朱楼紫殿玉の欄干こがねこじりにししろがねを柱とせり、その壮観奇麗いまだかつて目にも見ず
「ウィル旦那がこの鎌と鋤を町へ行って買って来いってきかねえんでがす。眼の玉がとび出るほどおあしを取られましただ」
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
お兼 旅の坊さんなんですがね。三人ですの。この雪で困るから一夜だけ泊めてくれないかとおっしゃるのです。おあしがないから宿には着けないのですって。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
一月二日には、私が錬金術師でいやなことからも、キンをねり出すということを書いたのでした。
さすれば、猿若狂言に使ふ安宅丸の幕の緋房と言ふのは、実は、念仏聖の懸けた鉦鼓の名であり、本の名にまでなつた「キンサイ」は、単に念仏聖の持つぬさかけ棒であらうか。
しろがねくがねたまもなにせむにまされるたからかめやも 〔巻五・八〇三〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
大伴家持は、天平感宝元年五月十二日、越中国守の館で、「陸奥みちのく国よりくがねを出せる詔書をことほぐ歌一首ならびに短歌」を作った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
十何年も前の冬、本場でスケートの稽古をしようとしてカネのうってあるスケート靴を買いました。
また/\人が来てカネの話をしていつた。
其中日記:02 (二) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
アゲクにはゲルがなければ恋愛ができないような、始めの志にくらべれば思いもよらぬムジュンにみちたことになりかねない。
大かた、ゲルの事ではよく人を手こずらせる彼奴のことだから、そこの宿賃でも溜めてしまつて仕樣ことなしに一年近くもそんな山の中にくすぶつて居たのにちがひない。
馬車を待つ間 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
しかしじっと耳を澄ますと、かつと金と触れ合う音、そうかと思うと岩にぶつかる、大濤おおなみのような物音が、ある時は地の下から、またある時は空の上から、かすかではあったけれど聞こえて来た。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
多「わしかねエめる積りは有りやせん」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
魂消ねえでもい、唯貰うんじゃがんせんが、あんたの方から千両だけの荷をマア先へ送ってくれゝば、わしその荷を売りこなして、あんたの方へかねエ入れるだ、かねエ入れゝば又にい送って呉れる訳にするだから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
サシボコ 同郡 うら
「だが、君は貧乏人だから、酒を買うぜにに困るだろう、ひとつ君のために酒代さかてを心配しよう」
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あなた、マア、どうなすったんです。急に独りで勝手に下りちまって……私、困るじゃありませんか。小さい坊やだけでも大変なのに、芳子ちゃんでしょう。それにあなた、御自分だけ回数券を切って下りちまってさ。私、後であんなに困ったことありませんでしたわ。生憎あいにく又、おたからが細かいのが足りないんでしょ。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
『おわしを遣るわ。一円ばかししか持つてないから。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
覗き𢌞りながら、ポケットからゴールドの時計を出して見て、何か燥々いら/\するので、頻にクン/\鼻を鳴らしたり、指頭で髮の毛を掻𢌞したり、またはのどたんでもひツからむだやうにやたらと低い咳拂せきばらひをしてゐた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)