“わし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワシ
語句割合
36.7%
22.9%
18.6%
8.1%
2.3%
乃公1.6%
拙者1.6%
1.2%
拙僧1.1%
0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
老衲0.3%
愚僧0.3%
老僧0.3%
0.3%
0.3%
吾儕0.2%
自分0.2%
鷲嶺0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
拙老0.2%
老人0.2%
記者0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
麹町0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(御宅の御新造さんは、わしとこに居ますで案じさっしゃるな、したがな、またもとなりにお前の処へは来ないからそう思わっしゃいよ。)
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不意に、女房の乳ぶさから無心な子を、わしのように、抱きさらった高梨小藤次は、その悲鳴をうしろに、家の横を駈け抜けて、往来から
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはわしにもわからないが、いま時分じぶんりをするのがまちがっている。」と、百しょうはいいのこして、さっさといってしまいました。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの婆め!そんなぼり方ってあるもんか。——わしは出張して来たばかりで、手許てもとに少し余計にあったもんだから、拾円でいいというのを
街底の熔鉱炉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
氷を取寄せて雪子のつむりを冷す看護つきそひ女子をんなに替りて、どれ少しわしがやつて見やうと無骨らしく手をいだすに、恐れ入ます、お召物がれますと言ふを
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
乃公わしの打診は何処をたゝいても患者の心臓しんぞうにピーンと響く、と云うのが翁の自慢である。やがて翁は箱の様なものをかかえて来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
拙者わし此度このたび九国への遍歴を思い立ち、もとより絵かきの気楽な境涯もはや親兄への暇乞いとまごいも済まし、其方と今宵語り明して、明朝直ちに発足ほっそくなそうと、御覧ぜられえ、此の通り旅の姿をいたして居る。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
この隠居が椽端えんばた近く歩み出て、今や掻堀を面白半分に騒ぎ立つ家来共を制して、もうもうそれには及びませぬ、ことの仔細はわしう知っていますと云うから
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ちょうどお前の処に嫁入る半年ばかり前に、拙僧わしの処へコッソリと相談に来おってナ……こう云うのじゃ。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さもなかつたら、木魂姫がてゐる其の洞穴が裂くる程に、また、あの姫のうつろな声がわしの声よりも嗄るゝ程に、ロミオ/\と呼ばうものを。
文章その他 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
つきひかりのきら/\と反射はんしやしてるなどはれず、港内かうない電燈でんとうひかり煌々くわう/\たる波止塲はとば附近ほとりからずつと此方こなたまで、金龍きんりうわしなみうへには、船艦せんかんうかこと幾百艘いくひやくさうふねふね前檣ぜんしやう白燈はくとう右舷うげん緑燈りよくとう
一人は遠藤と云ふ男で、この男は栄一を見ると、『この耶蘇、わしの病気を癒せ、繃帯をくれ』
わしも一緒に行って、ようく大僧正様に頼んで上げてもいいとの親切なお話でしたから、さっそく親父にその話をいたしましたら、阿母おふくろを亡くしましてからめっきり気が弱くなっております親父は
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
立派な考へを蓄へてゐらるゝ、学徒どもの示しにも為たいやうな、老衲わしも思はず涙のこぼれました、五十分一の雛形とやらも是非見にまゐりませう
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「当今、伊賀の名張なばり下石おろしというのがある、これに宝蔵院流正統が伝わっているという話じゃ、愚僧わしは詳しいことは知らぬ、それにまた、術の妙を得た人には、この近いところ——」
さあ菓子もはさんではやらぬから勝手につまんでくれ、と高坏たかつき推しやりてみずからも天目取り上げのど湿うるおしたまい、面白い話というも桑門よすてびと老僧わしらにはそうたくさんないものながら
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
わしというものが帝位についたからには、二度とこの帝位を、他統たとうに譲ってよいものか。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
潰した曲者が如何にも憎い。朝つから休んでは責め、責めては休みぢや。この女の強情が續くか、わしこんが續くか——
つれて參りますと主個あるじに言てにはかの支度辨當べんたうつゝ吹筒すゐづつげ和吉を呼で今日は吾儕わしが花見に行なれば辨當を脊負しよひともをしてと言ば和吉はかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きツイ先頃はお互にむしの居所のわるい所から言葉たゝかたれども考へ見れば吾儕わしが惡いとかう謝罪あやまつた上からは主は素より舍兄あにのこと心持を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分わしの同門に松浦おろかという少年が居った。こいつは学問は一向出来でけん奴じゃったが、名前の通り愚直一点張りで、勤王の大義だけはチャント心得ておった。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この松浦愚と自分わしは大の仲好しで、二人で醤油買いに行くのに、わざと二本の太い荒縄でたるを釣下げて
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
痛む足をかかえて寝ていた旅籠はたごの一室から、毎日のように仰いでいた、気に喰わない鷲嶺わしのすがたへ、彼は今、こうして肉薄して来たのである。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おおうっ、おれの上にはなにものもない。おれは鷲嶺わしを踏んでいる!」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしは専門じゃないから判っ切り云えんがな、娘さんは飛んでもないことを仕出かしとる、立派に妊娠していられたものを堕胎剤を
反逆 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
わしが今度、府君に従うて、天帝の許へ朝した時、聖者達が数年の後に戦乱が起って、巨河きょかの南、長江の北で、人民が三十余万殺戮せられるということを話しあっていたが、この時になっては
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
王いわく「吾子よ汝は善くした、それじゃ彼のほおひげを数え見よ、汝も知る通りすべて三九二十七毛あるはずだ、一つでも足らなんだら汝はわしに布二匹をはらわにゃならぬ」
拙老わしは伊勢参りの帰りじゃ、この与兵衛さんという人の家にお世話になってな、せっかくの好意だから、舟で桑名まで送って貰って、それから宮へ行こうというのだ、お前さんも江戸へお帰りなら、一緒に舟で行こうではないか」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
や、これはそも、老人わしたまの抜出した形かと思うたです、——誰も居ませぬ、中有ちゅううの橋でな。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人は笑ひながら、又以前もと部室へやへ後戻りをした。手帳にどんな事が書きとめてあるかは記者わしも知らない。
『おわしを遣るわ。一円ばかししか持つてないから。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
但し是等はくらうべからず即ちわし黄鷹くまたかとびはやぶさたか、黒鷹のたぐい各種もろもろからすたぐい鴕鳥だちょうふくろかもめ雀鷹すずめたかたぐいこうさぎ、白鳥、鸅鸆おすめどり、大鷹、つる鸚鵡おうむたぐいしぎおよび蝙蝠こうもり
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
粗野な窮惜大きゅうそだいとして終始し、——くしけずらぬ獅子の髪、烱々けいけいたるわしの眼、伸び放題の不精髯ぶしょうひげ衣嚢かくし一杯に物を詰めて、裏返しになった上着、底のいたんだくつ——そういった姿でウィーンの内外を横行し
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
また丸邇わにの臣の祖、日子國意祁都ひこくにおけつの命が妹、意祁都おけつ比賣の命に娶ひて、生みませる御子、日子坐ひこいますの王一柱。また葛城かづらき垂見たるみの宿禰が女、わし比賣に娶ひて生みませる御子、建豐波豆羅和氣たけとよはつらわけの王一柱。
「水はいもんじゃなあ、麹町わしうちがけに、山吹やまぶきう咲いているが、下に水があるとえのじゃが——」
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)