老僧わし)” の例文
誰に定めていいつけんという標準きめどころのあるではなし、役僧用人らの分別にも及ばねば老僧わしが分別にも及ばぬほどに、この分別は汝たちの相談に任す、老僧はかまわぬ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さあ菓子もはさんではやらぬから勝手につまんでくれ、と高坏たかつき推しやりてみずからも天目取り上げのど湿うるおしたまい、面白い話というも桑門よすてびと老僧わしらにはそうたくさんないものながら
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
話して仕舞へば小供欺しのやうぢやが仏説に虚言うそは無い、小児こども欺しでは決してない、噛みしめて見よ味のある話しではないか、如何ぢや汝等そなたたちにも面白いか、老僧わしには大層面白いが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
役僧用人等の分別にも及ばねば老僧わしが分別にも及ばぬほどに、此分別は汝達の相談に任す、老僧は関はぬ、汝達の相談の纏まりたる通り取り上げてるべければ、熟く家に帰つて相談して来よ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)