“虚言”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うそ72.1%
きょげん11.8%
そらごと5.9%
いつわり2.9%
きよげん1.5%
いつはり1.5%
ぞら1.5%
たわごと1.5%
むなこと1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秘密にする必要がない事でも、君江は人に問われると、唯にやにや笑いにまぎらすか、そうでなければ口から出まかせな虚言うそをつく。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「御卑怯である。信長は、あなたのお生命いのちなど、こうなっても戴こうとしておるのではない。——なぜ、虚言きょげんをかまえられるか」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斉信がある時「そぞろなる虚言そらごと」を聞いて彼女をひどくののしったことがある。「どうしてあんなやつを人と思ったろう」とさえ人前で言ったというのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「さっき、弦之丞様に頼まれて来たといやったのは、この身を、誘いだす虚言いつわりであったのか」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蒙り候事口惜くちをしき次第に存じ奉つり候右新藤市之丞なるもの住所ぢうしよ相知あひしれ候へば私し虚言きよげんに之なきむね御分り相成べき儀に付何卒御威光ごゐくわう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
既にその高品の心なる事を示し、追ひ払はれたる後に後悔の言葉、または末段の「虚言いつはりを云ふまじと、毎朝まいてう天道氏神を祈りしかども、若き者の悲しさは、只今非業にしなんとは思ひも寄らず」
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
うぬらも峯松の同類にちげえねえ、伊香保の木暮八郎ンとこにお前方めえがた逗留して居る時分、おらア知んねえけれども、何だか御用達の旦那さまだとか金持だとかなま虚言ぞらいて
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何を虚言たわごと! 何を莫迦ばかめ!」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「聞く人のかがみにせむを、あたらしき清きその名ぞ、おほろかに心思ひて、虚言むなことおやの名つな、大伴のうぢと名にへる、健男ますらをとも
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)