“虚妄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょもう52.4%
いつはり9.5%
きよばう9.5%
うそ4.8%
きよまう4.8%
いつわり4.8%
うつろごころ4.8%
こまう4.8%
こもう4.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人の前に私を私以上に立派に見せようとする虚妄きょもうな心は有り余るほど持っていたけれども、そこに埋めることの出来ない苦痛をも全く失ってはいなかった。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
自分が信じていた幸福が、全部虚妄きょもうになったのに、猿沢佐介の方はいっこう不幸にもならず、楽しそうに暮している。
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
だから近代科学は死の恐怖や孤独の恐怖の虚妄きょもう性を明かにしたのでなく、むしろその実在性を示したのである。
人生論ノート (新字新仮名) / 三木清(著)
まして夢を彩る五欲の歓楽たのしみ、幻を織る四季の遊娯あそび、いづれか虚妄いつはりならざらん。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
綱碇を丈夫にして檜木造りにする上は難風を乗り逃るゝたよりあるべき事古き沖船頭の言ふところ虚妄いつはりならざるべしと考へ定め、九百石と八百石との船を新に造り、律義なる水主かこ船頭を載せて羽州能代に下しけるに、思ふまゝなる仕合せを得
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
果して然らば「真心の行為は性質の反照なり」と云へる確言を虚妄きよばうとなすにあらざる以上は太田の行為——すなはちエリスを棄てて帰東するの一事は人物と境遇と行為との関係支離滅裂なるものとはざるからず。
舞姫 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
数々しば/\新聞の上などでも読みまする毎に、何程自分で自分を叱り、陰ながら貴所に御詫おわび致したで御座いませう——けれど我が心に尋て見ますれば、ひとの伝説を、全く虚妄きよばうとのみ言ひ消すことが出来ませぬので、必竟ひつきやう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「それが、貴方にあるたった一つの障害なのじゃ。歪んだ空想のために、常軌を逸しとるのです。わし虚妄うそ烽火のろしには驚かんて」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「なに、詩文で虚妄うそを⁉」と熊城がグイと唾をんで聴きとがめると、法水は微かに肩をそびやかせて、たばこの灰を落した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし僕は、指一本動かさせただけで、また詩文の字句一つで発掘を行い、それから、詩句で虚妄うそを作らせまでして
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
少くとも常陸では、将門謀反の由の言を幸ひとして、虚妄きよまうにせよ将門をひておとしいれさうなところである。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
記に「諸国の告状に依り、将門の為に功果有るべきの由宮中に議せらるゝ」と記されて居るのも、虚妄きよまうで無くて
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
窟の中二町余りというも虚妄いつわりにあらじと肯わる。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
躄車くるまなどに乗せてやりましては、世間への見場悪く、……いっそ、道了様を屋敷内へお遷座うつししたらと……庭師に云い付け、同じ形を作らせましたところ、虚妄うつろごころの父、それを同じ道了様と思い、このように躄車に乗り
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)