“陥”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
おちい31.0%
23.2%
おとしい17.7%
おと13.6%
はま7.4%
おち3.0%
おとし1.5%
1.5%
おちゐ0.2%
おちいっ0.2%
おっ0.2%
くぼ0.2%
のめ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いやしくもその妙を極めなければ降りることができないような気がして、いやが上にやりにくい羽目におちいってしまう訳であります。
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それより目がどんよりとち込んで、ちからのないゆるみを帯びていること、ものを正視するに余りに弱くなっていることに感づいた。
(新字新仮名) / 室生犀星(著)
お互いに怪しみ、探り合わせながら、どうしてもめぐり合う事が出来ないと言う不可思議な、気味の悪い運命におとしいれて行くと同時に
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただこれあるがゆえに、攻城の士気はゆるまなかった。そしてなお半歳もかかったが、よく三木城の堅守けんしゅおとし得たともいえると思う。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また偶時たまには、うツかり足を踏滑らして、川へはまり田へころげ、濡鼠ぬれねずみのやうになツて歸ツた事もあツたが、中々其樣な事にこりはしない。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ここがおちれば、蜀中はすでに玄徳のたなごころにあるもの。ここに敗れんか、玄徳の軍は枯葉こようと散って、空しく征地の鬼と化さねばならぬ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われ雪水ゆきみずをもて身を洗い、灰汁あくをもて手をきよむるとも、汝われを汚らわしき穴の中におとしいれ給わん、しかしてわが衣も我をいとうに至らん」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
とさ、斯う思って居る中に早や外から入口の戸を犇々ひしひしと締める音が聞こえる、サア大変だ。余は医学士に一ぱいめられた。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
あにこの最終さいしうの一夜にのぞんでうらみをぶべけんや、し此探検中あめふことおほかりせば尚二倍の日子をようすべく、病人も生ずべく、めに半途帰路にくか或は冒進ぼうしんして餓死におちゐるか
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
仏国の統一はいたずらに形式のみに偏し、彼らは卒業証書を受くる瞬間に於て、多年学校に於て修習せしすべてを失却しっきゃくして卒業証書は只一片の反故ほんご同然たるの幣におちいっておる。
教育の最大目的 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
友「もうねえ、余所よそのねえ、知らない船宿から乗って上ろうとして船を退ずらかしたものだから川の中へおっこって、ビショ濡れでようやく此の桟橋から上りました」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
頬はいたけて、まなこ窅然がっくりくぼみていたり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生憎あいにく大風が出て来て、たなご位のを三つ挙げた丈で、小一日暮らし、さて夕刻かえらうとすると、車は風に吹き飛ばされたと見え、脇の泥堀どぶの中へのめツてたです。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)