“おっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
65.4%
12.2%
6.3%
5.4%
2.4%
1.2%
和尚0.9%
0.9%
0.9%
0.6%
0.6%
0.6%
0.3%
仰言0.3%
小父0.3%
仰有0.3%
伯父0.3%
0.3%
被仰0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お師匠さま、お前をもはばからず、取りみだし、申しわけもござりませぬ。心を平らに伺いますゆえ、なにとぞ、おっしゃって——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
金眸は痛さに身をもがきつつ、鷲郎が横腹を引𤔩ひきつかめば、「呀嗟あなや」と叫んで身を翻へし、少し退しさつて洞口のかたへ、行くを続いておっかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
(まあ、女がこんなお転婆てんばをいたしまして、川へおっこちたらどうしましょう、川下かわしもへ流れて出ましたら、村里の者が何といって見ましょうね。)
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうかしましたもないじゃありませんか、何んですの、その顔は。おっかない顔をしてわたしを
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
れぼったいまぶたはヒタとおっかぶさって、浅葱縞あさぎじまの単衣のわきがすう/\息つく毎に高くなり低くなりして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
貴僧あなた、黒門まではい天気だったものを、急に大粒な雨!と吃驚びっくりしますように、屋根へかかりますのが、このおっかぶさった、けやきの葉の落ちますのです。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長願寺の和尚おっさんももう六十一ですなという彼のつまらぬ話にも、くるり/\と大きな眼をまわしてケラ/\と笑っていた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
全く敗亡まいって、ホウとなって、殆ど人心地なくおった。ふッと……いや心の迷の空耳かしら? どうもおれには……おお、矢張やっぱり人声だ。ひづめの音に話声。
そうするとだ剥しておんなさいませんねえ、うしても剥しておくんなさいませんと、あなたまでおうらみ申しますと、おっかねえ顔をしたから、明日あしたは屹度剥しますと云ってけえしたんだ
(えら!気の疾え先生だ。さまで欲しけりゃ算段のうして、柳の枝をおっぺっしょっても引寄せて取ってやるだ、見さっせえ、旅の空で、召ものがびしょ濡れだ。)と叱言こごとを言いながら
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藤堂とうどおっさん、早く出ないか
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
奥様のほほは僕の頬におっついている中に僕は熱の勢か妙な感じがムラムラと心に浮んで
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
「したくはないが、御前がおっかさんの云う事を聞いておくれでないから……」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「甲野の家は襲いでも、おっかさんの世話はしてくれないんだね」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けい さあ、そんなつまらないことを仰言おっしゃってないで、ちょっとおはなしになって。あの桶洗って来なくちゃならないんですから。
女の一生 (新字新仮名) / 森本薫(著)
食べて行けと仰言おっしゃれば御馳走になってもよろしいし、他へ廻れと言われれば廻っても悪くないんですがね。
女の一生 (新字新仮名) / 森本薫(著)
ほたら釣れるわ釣れるわ、金魚やら支那金魚やら緋鯉やら鯰やら、その釣れたの持って帰って近所の縁日へ出よる隣の金魚屋の小父おっさんに売ったったわ。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
道頓堀あたりでよく海老団治とへべれけた馴染の酒屋の小父おっさんはいいお酒の講釈をして聞かせて、高貴のお方の召し上がるお酒には金粉酒というものがある
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「参木、あなたはあたしを忘れちゃいやよ。あなたはあたしを、日本へ連れてって下さるでしょう。あたし、日本が見たいの。ね、参木、何んとか仰有おっしゃいよ。」
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「お祖父じいさんは道楽したせに伯父おっさんが小んまい石塔建てたんど」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
「ハイ、指ばかりおっていると申てよこしましたが……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お目に掛れば分ると云て被仰おっしゃいません==どうも気味の悪い奴だとおもって、れから私はそっと覗いて見ると、何でもない、筑前の医学生で原田水山はらだすいざん、緒方の塾に一緒に居た親友だ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
キャキャとする雛妓おしゃく甲走かんばしった声が聞えて、重く、ずっしりと、おっかぶさる風に、何を話すともなく多人数たにんずの物音のしていたのが、この時、洞穴ほらあなから風が抜けたようにどっ動揺どよめく。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
友「もうねえ、余所よそのねえ、知らない船宿から乗って上ろうとして船を退ずらかしたものだから川の中へおっこって、ビショ濡れでようやく此の桟橋から上りました」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)