“おじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
叔父39.7%
小父26.3%
伯父23.3%
1.9%
1.1%
1.1%
1.1%
0.8%
老夫0.5%
0.5%
0.5%
御叔父0.3%
姑丈0.3%
御伯父0.3%
老爺0.3%
0.3%
庚伯0.3%
御直0.3%
0.3%
次男0.3%
祖父0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この時分に式部卿しきぶきょうの宮と言われておいでになった親王もおかくれになったので、薫は父方の叔父おじの喪に薄鈍うすにび色の喪服を着けているのも
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
めったに、薬売くすりうりの小父おじさんのってきた、くすりむようなことはなかったけれど、小父おじさんは、こちらにくればきっとりました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
我等は貴君に警告す、我等は来る八月十八日深夜二時を期して、貴君の伯父おじ若林子爵家の所蔵する黄色金剛石イエロオダイア頸飾くびかざりを奪いとるべし。
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
皆々おじけ立って、誰一人その行手をさえぎる者もなく、賊は無人の境を行くが如く、遂に門外へ消えてしまった。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
夫人 (次第に立出で、あとへひっかえしざまにすれ違う。なおその人形使を凝視しつつ)おじさん、爺さん。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父は五人兄弟の第三人にして、前後四人はすでに世を去りぬ、随って我も四人のおじを失いぬ。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
(何を、おじけて——)
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
おかしき男かなと思いてさまざまの事を問うに、極めて石をずる癖あるおじにて、それよりそれと話のついでに、平賀源内の明和年中大滝村の奥の方なる中津川にてかねりし事なども語り出でたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
われはハヤゆうべ見し顔のあかき老夫おじせなに負はれて、とある山路やまじくなりけり。うしろよりはのうつくしき人したがひ来ましぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
竹山に 竹るやおじ
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
杜陽が一年あまりも帰らないので心配していたおじは非常に喜んで、杜陽にその事情を聞いた。杜陽は怪しい壑の底の家にいたことをすっかり話した。すると舅が言った。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
御叔父おじさん、東塔とか西塔とか云うのは何の名ですか」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「御糸さんが嫁に行くと御叔父おじさんも困るね」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
姑丈おじが没くなった後でも、狐が時おり来ていたが、後に張天師のかじふだをもらって、壁にったので、狐もとうとう女の子を伴れていったのだか、それじゃないかね。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
秦のおばさんが没くなった後で、姑丈おじさんがやもめでいると、狐がついて、せて死んだが、その狐が女の子を生んで、嬰寧という名をつけ、むつきに包んでとこの上に寝かしてあるのを
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
御伯父おじさんは送ってくれんでもいいです」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そら御伯父おじさんの餞別せんべつだよ」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仙「こりゃアねエおとっさん、斯うしようじゃアねえか、丁度いことがある、此の詫ごとに万年町にく時に……こいつア宜い、なんにしよう、老爺おじさんがお嬢さんを助けた積りできねえナ」
仙「嬢さんも老爺おじさんも少し待っておいで、エ御免なせえ」
同じ干支えとに生れた同年の者が交際するには干支の兄、干支の弟という意味で庚兄こうけい庚弟こうていと呼びあい、その子や甥などは干支のおじさんという意見いみで、それを庚伯こうはくと呼ぶの風習があった。
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
友達の庚伯おじさんが教えてくれたので、往ってみると、三娘はもう任侍郎にんじろうの家の児に生れ代っていたのですが、無理に捉えて伴れてきたのです、それが今の私の家内ですが
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
柳橋、堀、吉原の華手はでやかなところはもとより諸家さま、お旗本衆——日頃御直おじき直きには、中々お顔をお見せにならぬお人たちも、今度は幕を張っての御見物のように承わります。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
木蔭に草を刈集めていた農夫は物音を聞きつけて、東からも西からも出合いましたが、いずれも叫んで逃廻るばかり。馬の勢におじて寄りつく者も有ません。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何度も建てなおされた家で、ここでは次男おじに鍛冶屋させるつもりで買ってきて建てたんだが、それが北海道へ行ったもんで、ただうっちゃらかしてあるんでごいす。
贋物 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
一月号の「けい」では私上野の祖父おじを思い出して一生懸命に拝見いたしました。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その船行方ゆくえなくなりてのちは、家に残る人も散々ちりぢりになりぬるより、絶えて人の住むことなきを、この男のきのうここに入りて、ややして帰りしをあやしとてこの漆師ぬしおじが申されし
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)