“じじい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
70.8%
祖父13.2%
老爺10.4%
老夫0.9%
老翁0.9%
父爺0.9%
爺々0.9%
爺親0.9%
老物0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本文字に精通しているというだけのじじいとしか見えませんから、仕方なしに××領事の了解を経てコチラへ立たせた訳ですが、しかし
人間レコード (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わしにかえ。彼奴は私に肖ねえで、亡くなった祖父じじいたと見える。私は彼奴を見ると、祖父を思出さずにはおられやせん」
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「鶏を……。誰にられたろう。又、銀山の鉱夫の悪戯いたずらかな。」と、若い主人は少しく眉をひそめて、雇人やといにんの七兵衛老爺じじいみかえった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どこに居た処で何のたのしみもねえ老夫じじいでせえ、つまらねえこったと思って、気が滅入めいるに、お前様は、えらいひとだ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
代々養なわれた老夫じじいだで、横のものをば縦様たてにしろと謂われた処で従わなけりゃなんねえので、かしこまったことは畏ったが、さてお前様がさぞ泣続けるこんだろうと、生命いのちが縮まるように思っただ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上ではんなこととも知らないのであろう。大勢が声を揃えて市郎の名を呼んでいた。其中そのなかには塚田巡査のびた声も、七兵衛老翁じじい破鐘声われがねごえまじって聞えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
塚田巡査は町の者共を従え、市郎は我家の職人や下男げなんを率いて、七兵衛老翁じじいに案内させ、前後二手に分れて現場げんじょう駈向かけむかった。夜の平和は破られて、幾十の人と火とが、町尽頭まちはずれの方へ乱れて走った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
で、一旦内へ引返ひっかえして、応急の薬剤と繃帯ほうたいとを用意して、足早に表へ出ようとする時、七兵衛父爺じじい寝惚眼ねぼけまなここすりながら裏口を遅々のそのそ出て来た。出逢頭であいがしら喫驚びっくりして
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
で、思い思いではあるけれども、各自めいめい暗がりの中を、こう、……不気味も、好事ものずきも、負けない気もまじって、その婆々ばばあだか、爺々じじいだか、稀有けぶやつは、と透かした。が居ない……
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「馬鹿爺親じじい、俺の胸の肉をえぐらすつもりか。」
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
出入りのとびかしらを始め諸商人、女髪結い、使い屋の老物じじいまで、目録のほかに内所から酒肴しゅこうを与えて、この日一日は無礼講、見世から三階まで割れるようなにぎわいである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)