“稀有”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けう97.2%
けぶ2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、どこまで一所になるか、……稀有けうな、妙な事がはじまりそうで、あぶなっかしいうちにも、内々少からぬ期待を持たせられたのである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おれは精勤であることだけは守ったから依然として八時半には出社したが、しばしば社長室からあの稀有けうな声音のもれるのを聞いた。
陽気な客 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その時分から酒を飲んだから酔って転寝うたたねでもした気でいたろう。力はあるし、棺桶かんおけをめりめりと鳴らした。それが高島田だったというからなお稀有けぶである。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第一の童子 其くせ声は鳩のやうで、ぐはう、ぐはう、ぐはう、ぐはうと啼く稀有けぶな方丈様ぢゃ。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)