“棺桶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんおけ80.6%
くわんをけ11.3%
はやおけ3.2%
かんをけ1.6%
がんばこ1.6%
くわんおけ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで死刑となった火辻軍平の死体は、棺桶かんおけにおさめられたのち、そこから遠くないところにある阿弥陀堂へ、はこびいれられた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
尤も近頃は少し彌太郎に飽きられて居るやうで——どうかしたら、あの女ぢやありませんか。親父が棺桶くわんをけに入つて居ると知らずに——
……まだ、そう大して時刻もたっていない、三枚駕籠さんまいで行ったら湯灌場ゆかんばあたりで追いつけるかも知れねえ。……おい、ひょろ松、これから棺桶はやおけの取戻しだ。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
かへってのち時代じだいおほきな古墳こふんで、石棺せきかんなかれた人間にんげんほねまでくさつてゐるのが普通ふつうでありますのに、この棺桶かんをけもなく土中どちゆううづめた人間にんげんほねが、よくのこつてゐるのは一見いつけん不思議ふしぎかんぜられますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「ふんとに俺は、棺桶がんばこえるまで、こうして稼がねえばなんねえんだな……」
駈落 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
うちの中は区役所の出張員しゆつちやういん硫黄いわうの煙と石炭酸せきたんさんで消毒したあと、まるで煤掃すゝはきか引越ひつこしの時のやうな狼藉らうぜきに、丁度ちやうど人気ひとけのないさびしさを加へて、葬式さうしき棺桶くわんおけ送出おくりだしたあとと同じやうな心持こゝろもちである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)