“硫黄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いおう71.9%
いわう19.8%
ゆわう3.1%
ゆおう2.1%
ゐわう1.0%
りうわう1.0%
ズルフル1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆくてに高きは、曾遊そうゆうの八ヶ岳——その赤岳、横岳、硫黄いおう岳以下、銀甲つけて、そそり立つ。空は次第に晴れて山々もあざやかに現れる。
雪の武石峠 (新字新仮名) / 別所梅之助(著)
やがて碁をうつて居た旭川の客が歸つて往つたので、表二階の方に移つた。硫黄いわうの臭がする鑛泉に入つて、二階にくつろぐ。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
泥濘ぬかるみ捏返こねかへしたのが、のまゝからいて、うみ荒磯あらいそつたところに、硫黄ゆわうこしけて、暑苦あつくるしいくろかたちしやがんでるんですが。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悲歎の涙は、硫黄ゆおうを流して草をただらす。長い袖は、なまぐさい風を起して樹を枯らす。もだゆるはだは鱗をならしてのたうちうねる。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
空氣はまるで硫黄ゐわうの蒸氣のやうで——どこにも氣分を爽やかにするものは見つからない。蚊はブン/\這入つて來て部屋の中を陰氣にとび𢌞る。
又上諏訪山中に渋の湯といふあり。はなはだ温ならず。しかれども硫黄りうわうの気強して性熱なり。一口のむときはたちまち瀉利しやりす。松本城下に浅間の湯といふあり。綿の湯と同じ。疝を治す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
でまず、最初の一つから、硝子粉グラス・シュタウブ浸剤インフュズム硫黄ズルフル単寧タンニン水銀メルクルオキゾス溶和剤レゾルフェンチア黄斑粉ディスティツェティン紅殻アイゼンメンニンゲ樹脂レギーナ——と読んでいって結局とどのつまりその頭文字を連ねるのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)