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硫黄
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いわう
ふりがな文庫
“
硫黄
(
いわう
)” の例文
やがて碁をうつて居た旭川の客が歸つて往つたので、表二階の方に移つた。
硫黄
(
いわう
)
の臭がする鑛泉に入つて、二階にくつろぐ。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「申松の投網のおもりを盜つたのさ、——
硝石
(
せうせき
)
や
硫黄
(
いわう
)
は生藥屋で賣つて居るが、素人の拵へる火藥は、弱いから本當の鐵砲には使はれないよ」
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
バビロンの淫婦は
爾
(
なんぢ
)
の
妃
(
ひ
)
、
七頭
(
しちとう
)
の毒竜は爾の馬、火と煙と
硫黄
(
いわう
)
とは
汝
(
なんぢ
)
が
黒檀
(
こくたん
)
の
宝座
(
みくら
)
の前に、不断の
香煙
(
かうえん
)
を
上
(
のぼ
)
らしめん。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕は
顛落
(
てんらく
)
するやうにしてやうやくにして身を支へたが、そこは
硫黄
(
いわう
)
の
熾
(
さかん
)
に噴出してゐるところで、僕の
咽喉
(
のど
)
は
切
(
しき
)
りに硫黄の気で
咽
(
む
)
せるのに堪へてゐる。
ヴエスヴイオ山
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ぽつんとしたまつ赤なあかりや、
硫黄
(
いわう
)
のほのほのやうにぼうとした紫いろのあかりやらで、眼をほそくしてみると、まるで大きなお城があるやうにおもはれるのでした。
月夜のでんしんばしら
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
「臆する者、信ぜざる者、等々は火と
硫黄
(
いわう
)
の燃ゆる池にてその
報
(
むく
)
ひを受くべし是第二の死なり。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
家
(
うち
)
の中は区役所の
出張員
(
しゆつちやういん
)
が
硫黄
(
いわう
)
の煙と
石炭酸
(
せきたんさん
)
で消毒した
後
(
あと
)
、まるで
煤掃
(
すゝは
)
きか
引越
(
ひつこ
)
しの時のやうな
狼藉
(
らうぜき
)
に、
丁度
(
ちやうど
)
人気
(
ひとけ
)
のない
寂
(
さび
)
しさを加へて、
葬式
(
さうしき
)
の
棺桶
(
くわんおけ
)
を
送出
(
おくりだ
)
した
後
(
あと
)
と同じやうな
心持
(
こゝろもち
)
である。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
硫黄
(
いわう
)
沸
(
わ
)
く
煙
(
けぶり
)
に咽び、われとわが座より
轉
(
まろ
)
びて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
硫黄
(
いわう
)
の池も近づくよ
哀音
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
挑
(
いど
)
み
搏
(
う
)
つ
硫黄
(
いわう
)
の
炎
(
ほむら
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
燧石
(
ひうちいし
)
と火打鎌と、
火口
(
ほくち
)
と
硫黄
(
いわう
)
附木ぢや、あんなことはむづかしからう。——そんなたよりない火附け道具で、四年越しの惡戯はできない——
焔硝
(
えんせう
)
かな——」
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
坐浴に使ふ
硫黄
(
いわう
)
の匂ひは忽ち僕の鼻を襲ひ出した。しかし勿論往来にはどこにも硫黄は見えなかつた。僕はもう一度紙屑の薔薇の花を思ひ出しながら、努めてしつかりと歩いて行つた。
歯車
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私は一度、
Tölz
(
テルツ
)
に行かうと思ひつつ遂にその念願を果さずにしまつた。
Tölz
(
テルツ
)
はイーサル川の上流にある町で、
沃度
(
ヨード
)
・
曹達
(
ソーダ
)
・
硫黄
(
いわう
)
を含んだ鉱泉が
湧
(
わ
)
くために一つの浴泉地にもなつてゐる。
イーサル川
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
暑
(
あつ
)
さ
硫黄
(
いわう
)
をとかすとも
月夜のでんしんばしらの軍歌
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あの
火口
(
ほくち
)
と
硫黄
(
いわう
)
をつけた稽古矢を、飯倉か
巴町
(
ともゑちやう
)
の弓師に見せて來るがいゝ、——誰が
誂
(
あつら
)
へた矢か解るだらう。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは
硫黄
(
いわう
)
を主薬としたもので、一夜焚いて退治するのであつた。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
暑さ
硫黄
(
いわう
)
をとかすとも
月夜のでんしんばしら
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稽古矢に火口と
硫黄
(
いわう
)
をつけて飛ばし、屋根の上に射込んで、福島嘉平太をおびき出し、屋根の上の怪し火を
見窮
(
みきは
)
めるところを生垣立と板塀越しに、槍で突き殺し、その死骸へ
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
音たてて
硫黄
(
いわう
)
ふきいづるところより近き
木立
(
こだち
)
に
山蚕
(
やまこ
)
ゐるなり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
鐵砲足輕の娘が、見やう見眞似で、竹の鐵砲も作り、
硝石
(
せうせき
)
と
硫黄
(
いわう
)
と木炭末を混合して、幼稚な火藥も作れる筈ですが、その鐵砲と火藥で、自分を撃たせたのは、意味のないことです。
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
やがて倒れた行燈を起して、火打から移した
硫黄
(
いわう
)
附木の灯を入れると
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
火にくべたり、銀の
匙
(
さじ
)
でこね廻したり、
硫黄
(
いわう
)
を
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“硫黄”の意味
《名詞》
硫黄 (いおう、生薬名などとしてはリュウオウ)
原子番号 16、元素記号 S の非金属元素。単体は、斜方硫黄、単斜硫黄など様々な形態をもつ。
(出典:Wiktionary)
“硫黄”の解説
硫黄(いおう、en: sulfur)は原子番号16番の元素である。元素記号はS。原子量は32.1。酸素族元素のひとつ。固形時は淡黄色で無味無臭。点火すると青色の炎を出し、二酸化硫黄の特異臭を発する。
(出典:Wikipedia)
硫
常用漢字
中学
部首:⽯
12画
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
“硫黄”で始まる語句
硫黄島
硫黄附木
硫黄火
硫黄山
硫黄岳
硫黄嶽
硫黄泉
硫黄色
硫黄華
硫黄ヶ島