“咽喉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のど92.4%
のんど3.8%
いんこう3.2%
のみど0.3%
のどぶえ0.2%
ノド0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かかとの堅きたたきに薄寒く響いたとき、黒きものは、黒き咽喉のどから火のをぱっといて、暗い国へごうと去った。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『あんたまだ起きてたの、私は咽喉のどが渇いてめが覚めたんだけれど、あんたもお茶を飲みたかないか、いま階下したへいって持って来てあげよう』
キャラコさんがやって来たのを見ると、みなうれしがって、もう一遍、もういっぺんと、いくども乾杯して、苦しがってゲエゲエと咽喉のどを鳴らした。
仁右衛門ぶるぶるとなり、据眼すえまなこじっと見た、白い咽喉のんどをのけざまに、苦痛に反らして、黒髪を乱したが、唇をる歯の白さ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大いなる山、大いなる空、千里をけ抜ける野分、八方を包む煙り、鋳鉄しゅてつ咽喉のんどからえて飛ぶたま——これらの前にはいかなる偉人も偉人として認められぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
胸の上にコップを置いて白い、然しやきつくやうな両手でつかんで、氷のかけを咽喉のんどに落した時、彼女は漸く浮き上るやうな気持ちになった。そして極めてわづかの夢を見ることが出来た。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
何はともかく、本土に近い海路の咽喉いんこう岡崎の港——撫養むや街道を駆けぬけて周馬を追い越し、そこできゃつを引っ捕えなければならぬ。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王曰く、居庸は険隘けんあいにして、北平の咽喉いんこう也、敵ここるは、れ我がはいつなり、急に取らざる可からずと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
役員や待合の若い子息むすこに、耳鼻咽喉いんこうの医師、煙草屋たばこやの二男に酒屋の主人など、予備の中年者も多かった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
夜哭きする食用蛙風にゐて春寒しゆんかんなれや咽喉のみどつづかず
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
讃歌さんか咽喉のみどをあふれて
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
というも構わず手元へ引寄せ、お賤の咽喉のどぶえへ鎌を当てプツリと刺し貫きましたからたまりません、お賤は悲鳴を揚げて七顛八倒の苦しみ、宗觀と音助はびっくりし、
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
顔ばかりあり/\と見えた時は、新吉は怖い三眛ざんまい、一生懸命無茶苦茶に鎌でちましたが、はずみとは云いながら、逃げに掛りましたお久の咽喉のどぶえへ掛りましたから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
だが、身狭刀自ムサノトジ自身のうちにも、もだ/″\と咽喉ノドにつまつた物のある感じが、残らずには居なかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
自身の咽喉ノドから出た声だ、と思つた。だがやはり、廬の外で鳴くのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)