“咽喉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のど91.9%
のんど4.0%
いんこう3.3%
のどぶえ0.3%
のみど0.3%
のどもと0.1%
ノド0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聞くだけで咽喉のどの詰まるような、食欲を吹き飛ばすようなあのバナールな呼び声も、これは幸いにさっぱり聞かなくなってしまった。
物売りの声 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一束の黒髪はそのまま遂にたざりし、尉官が両の手に残りて、ひょろひょろと立上れる、お通の口は喰破れる良人の咽喉のんどの血に染めり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何はともかく、本土に近い海路の咽喉いんこう岡崎の港——撫養むや街道を駆けぬけて周馬を追い越し、そこできゃつを引っ捕えなければならぬ。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とんでかかれば黄金丸も、稜威ものものしやと振りはらって、またみ付くをちょう蹴返けかえし、その咽喉のどぶえかまんとすれば、彼方あなたも去る者身を沈めて、黄金丸のももを噬む。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
夜哭きする食用蛙風にゐて春寒しゆんかんなれや咽喉のみどつづかず
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すかさず咽喉のどもと突貫つきとほさんとしけれども手先てさきくるひてほゝより口まで斬付きりつけたり源八もだえながら顏を見ればおたかなりしにぞ南無なむ三と蹴倒けたふして其所そこ飛出とびいだつれ七とともあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
だが、身狭刀自ムサノトジ自身のうちにも、もだ/″\と咽喉ノドにつまつた物のある感じが、残らずには居なかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)