“払”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
はら54.8%
はた17.8%
ぱら8.6%
はらい3.6%
はらひ3.0%
はたき2.5%
ばら2.5%
ばらい1.5%
はらっ1.0%
はろ1.0%
ハラ1.0%
0.5%
0.5%
はらわ0.5%
ぱらい0.5%
ぱらひ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丸太まるたぼうを立てて、そのいちばん下を力いっぱいはらったのと変わらない。モンクスは自分の足を上に、ずでーんとたたきつけられた。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
雪洞ぼんぼりを取ってしずかに退座す。夫人長煙管ながぎせるを取って、はたく音に、図書板敷にて一度とどまり、直ちに階子はしごの口にて、ともしびを下に、壇に隠る。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さらに下のほうでは、ぱらったキャベツが、驢馬ろばの耳を打ち振り、上気のぼせたねぎが、互いに鉢合せをして、種でふくらんだ丸い実を砕く。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
今思えばれは茶屋でもトックにしって居ながら黙って通して、実はその盗品の勘定もはらいの内に這入はいって居るに相違ない、毎度の事でおきまりの盗坊どろぼうだから。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「いけません。おはらひでなきやアあとへおかへンなさい。」とおつしやつた。先生せんせいめうかほをしてぼんやりつてたがすこしむきになつて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あとへもう一度はたきを掛けて、縁側をき直そう、と云う腹で、番手桶に水を汲んで控えていて、どうぞ御安心下さいましッさ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
種吉の手に五十円の金がはいり、これは借金ばらいでみるみる消えたが、あとにも先にもまとまって受けとったのはそれきりだった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ちなみにいう。好景気の時は、山で職人ばらいが一本十七銭まで上った由、丁度今の倍額である。それはいうまでもなく大正七、八年の頃である。
野州の石屋根 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
しそれをとがめればかえっしかり飛ばすと云うから、誰も怖がって咎める者はない。町の者は金をはらって行くに、士族は忍姿しのびすがたで却て威張いばっただ這入はいっる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
落ち着きはろてなさって「会わんといたかてどうせ疑がわれるぐらいなら、会うた方がしや思てん。」「何で僕に内証でそんなことした?」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
獏は、凶夢を喰はせる為であるから、「夢チガへ」又は「夢ハラへ」の符と考へられて居たに違ひない。一代男を見ても、「夢違ひ獏のフダ」と宝船とが別物として書かれて居る。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
雪をいていた者は雪払ゆきかきめる、黄色い真綿帽子を冠った旅人の群は立止る、岩村田がよいの馬車の馬丁べっとう蓙掛ござがけの馬の手綱たづなを引留めて、身を横に後を振返って眺めておりました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あと御伺おうかがいすると、あの場合ばあいみこと御難儀ごなんぎのがたのは、矢張やはりあの御神剣ごしんけんのおかげだったそうで、ゆるなかみことがその御鞘おんさやわれると同時どうじ
手の汗を、ずぼんの横へこすりつけて、清めた気で、くの字なりに腕を出したは、短兵急に握手のつもりか、と見ると、ゆるがぬ黒髪に自然おのず四辺あたりはらわれて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「霞のぱらいか。哲学者は余計な事を考え込んでにがい顔をするから、塩水の酔っ払だろう」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
街灯のともつてゐない真ツ暗がりに、Kは自分の鼻先にのひよろ高い男が立塞たちふさがつてゐるのを見たので、ぱらひがよくするやうにKは丁寧に帽子を取つてお辞儀をしたが