ばら)” の例文
旧字:
種吉の手に五十円の金がはいり、これは借金ばらいでみるみる消えたが、あとにも先にもまとまって受けとったのはそれきりだった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「じつは、他家たけ吹聴ふいちょうしたくない、秘密なしなもござりますゆえ、願わくばお人ばらいをねがいまする」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大和やまと遠飛鳥とおあすかという村までおいでになって、そこへまた一ばんおとまりになったうえ、けがればらいのお祈りをなすって、そのあくる日石上いそのかみの神宮へおうかがいになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
成上り者の常としてその言葉の使い方などはラサ府における総理大臣よりも威張いばりくさって居ります。なかなか私共がその門に行って遇わしてくれろといったところが門前ばらいを喰うに違いない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
カーテンの向うから、秘書のばらいが聞えた。