“払暁”のいろいろな読み方と例文
旧字:拂曉
読み方割合
ふつぎょう53.8%
あけがた28.2%
ひきあけ5.1%
よあけ5.1%
あかつき2.6%
あさ2.6%
あさまだき2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このほか、ここ一山を中心として、払暁ふつぎょうからひるまえの二刻ふたときばかりにわたる合戦中に、武功を示した将士は列挙するにいとまもないほどである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
八住は毎夜払暁あけがたになると、不自由な身体を推してまでも花市に行って、蕾のアマリリスを買っては、取り換えていたのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
……しばらく間があいたからそれですむのかと思っていると、こんどは四男の甚松が急にいけなくなって、きょうの払暁ひきあけに息をひきとったというンです。
顎十郎捕物帳:24 蠑螈 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「……手早く申しますと実松源次郎氏は、その払暁よあけ前の雪の中で、或る恐怖に襲われたのではないかと思われるのです」
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
夜にして始めて霊夢を蒙り、その払暁あかつき水際みぎわ立出たちいでて
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
いわば、長夜の臥床ふしどからさめようとする直前、一段深く熟睡うまいに落ち込む瞬間がある。そうした払暁あさのひとときだった。
薬草道人の湖上の住居、そこへお仙が入り込んだ日の、ちょうど払暁あさまだきのことであった。一里も下ったら福島へ出よう、そういう地点の林の中に、薬草道人は休んでいた。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)