“立出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たちい55.2%
たちいで29.3%
たちいづ8.6%
たちいず3.4%
1.7%
たちで1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我が蔭口を露ばかりもいふ者ありと聞けば、立出たちいでて喧嘩口論の勇気もなく、部屋にとぢこもつて人におもての合はされぬ臆病おくびやう至極の身なりけるを
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よび右の話をなしたるに上方の衆は關東者とちがねんいれ候へば物をかたくする心ならんとて松葉屋桐屋共に立出たちいで對面たいめんに及びしかば大金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
然れども夜遊病患者の如く「我」を忘れて立出たちいづるものにはあらざるなり、何処までも生命の眼を以て、超自然のものを観るなり。
内部生命論 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
かかる処へ、左右の小笹哦嗟々々がさがさと音して、立出たちいずるものありけり。「さてはいよいよ猟師かりうどよ」ト、見やればこれ人間ひとならず、いとたくましき二匹の犬なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
そこで僕もおおいによろこんで彼の帰国を送った。彼は二年間の貯蓄の三分の二を平気でなげうって、錦絵にしきえを買い、反物たんものを買い、母やおととや、親戚の女子供を喜ばすべく、欣々然きんきんぜんとして新橋を立出った。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
二人はいとまを告げて立出たちでると、お政は途中の用心に松明たいまつを貸してれた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)