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たちいで
ふりがな文庫
“
立出
(
たちいで
)” の例文
呼
(
よび
)
右の話をなしたるに上方の衆は關東者と
違
(
ちが
)
ひ
念
(
ねん
)
を
入
(
いれ
)
候へば物を
堅
(
かた
)
くする心ならんとて松葉屋桐屋共に
立出
(
たちいで
)
對面
(
たいめん
)
に及びしかば大金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
慶三は耳を済ます間もなく、障子の音荒く
立出
(
たちいで
)
る気色に
周章
(
あわ
)
てて物蔭にひそむと、がらりと格子戸を明けて外へ出たのはかの葉山である。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
オヽ其男御眼にかゝろうと珠運
立出
(
たちいで
)
、つく/″\見れば鼻筋通りて眼つきりゝしく、
腮
(
あぎと
)
張りて一ト癖
確
(
たしか
)
にある
悪物
(
しれもの
)
、
膝
(
ひざ
)
すり寄せて肩怒らし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お
禮
(
れい
)
も
何
(
なに
)
といひかぬるを、よう
似合
(
にあふ
)
のうと
笑
(
わら
)
ひながら、
雪灯
(
ぼんぼり
)
手
(
て
)
にして
立出
(
たちいで
)
給
(
たま
)
へば、
蝋燭
(
ろうそく
)
いつか三
分
(
ぶん
)
の一ほどに
成
(
な
)
りて、
軒端
(
のきば
)
に
高
(
たか
)
し
木
(
こ
)
がらしの
風
(
かぜ
)
。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
威
(
おど
)
されてわれはその顔を見たり。舞台は暗くなりぬ。人大方は
立出
(
たちいで
)
ぬ。寒き風
場
(
じょう
)
に満ちて、
釣洋燈
(
つりランプ
)
三ツ四ツ薄暗き
明
(
あかり
)
映
(
さ
)
すに心細くこそなりけれ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
大小の二刀だけは腰に差して、手には何一つ持つ間もなく、草履突掛けるもそこそこに、
磯貝竜次郎
(
いそがいりゅうじろう
)
は裏庭へと
立出
(
たちいで
)
た。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
……今で言えば肺病でござりますが、其の頃は
癆症
(
ろうしょう
)
と申しました、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で、
扱帯
(
しごき
)
を乳の
辺
(
あたり
)
まで固く締めて、縁先まで
立出
(
たちいで
)
ました途端、プーッと吹込む一陣の風に誘われて
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
高い男は玄関を通り抜けて縁側へ
立出
(
たちいで
)
ると、
傍
(
かたわら
)
の
坐舗
(
ざしき
)
の障子がスラリ
開
(
あ
)
いて、年頃十八九の婦人の首、チョンボリとした
摘
(
つまみ
)
ッ
鼻
(
ぱな
)
と、日の丸の紋を染抜いたムックリとした頬とで
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
夫
(
をつと
)
は
蓑笠
(
みのかさ
)
稿脚衣
(
わらはゞき
)
すんべを
穿
(
はき
)
(
晴天
(
せいてん
)
にも
簑
(
みの
)
を
着
(
きる
)
は雪中
農夫
(
のうふ
)
の常也)
土産物
(
みやげもの
)
を
軽荷
(
かるきに
)
に
担
(
にな
)
ひ、
両親
(
ふたおや
)
に
暇乞
(
いとまごひ
)
をなし
夫婦
(
ふうふ
)
袂
(
たもと
)
をつらね
喜躍
(
よろこびいさみ
)
て
立出
(
たちいで
)
けり。
正是
(
これぞ
)
親子
(
おやこ
)
が
一世
(
いつせ
)
の
別
(
わか
)
れ、
後
(
のち
)
の
悲歎
(
なげき
)
とはなりけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
二人はその秋刀魚を
肴
(
さかな
)
に非常に
旨
(
うま
)
く飯を済まして、そこを
立出
(
たちいで
)
たが、翌日になっても昨日の秋刀魚の
香
(
かおり
)
がぷんぷん鼻を
衝
(
つ
)
くといった始末で、どうしてもその味を忘れる事ができないのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
告
(
つげ
)
後藤五左衞門秀盛入道は此時五十五歳にて
先
(
まづ
)
關
(
くわん
)
八州を
志
(
こゝろ
)
ざし再び武者修行にぞ
立出
(
たちいで
)
ける扨又後に殘りし後藤半四郎
秀國
(
ひでくに
)
は丸龜の道場を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
刀を持ったなりドブリと綾瀬川へ飛び込むと、
葮
(
よし
)
葦
(
あし
)
の繁った処に一艘船が
繋
(
つな
)
いで居りましたが、
苫
(
とま
)
を揚げて
立出
(
たちいで
)
たは荷足の仙太郎で、
楫柄
(
かじづか
)
を振り上げて惣兵衞の
横面
(
よこつら
)
を殴る。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其処
(
そこ
)
で、
御簾中
(
ごれんちゅう
)
が、奥へ
御入
(
おんい
)
りある資治卿を
迎
(
むかえ
)
のため、
南御殿
(
みなみごてん
)
の入口までお
立出
(
たちいで
)
に成る。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
珠運
(
しゅうん
)
梅干渋茶に夢を
拭
(
ぬぐ
)
い、朝
飯
(
はん
)
平常
(
ふだん
)
より
甘
(
うま
)
く食いて
泥
(
どろ
)
を踏まぬ
雪沓
(
ゆきぐつ
)
軽
(
かろ
)
く、
飄々
(
ひょうひょう
)
と
立出
(
たちいで
)
しが、折角
吾
(
わが
)
志
(
こころざし
)
を彫りし
櫛
(
くし
)
与えざるも残念、家は宿の
爺
(
おやじ
)
に
聞
(
きき
)
て街道の
傍
(
かたえ
)
を
僅
(
わずか
)
折り曲りたる所と知れば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
朝冷
(
あさすゞ
)
はいつしか
過
(
す
)
ぎて
日
(
ひ
)
かげの
暑
(
あつ
)
くなるに、
正太
(
しようた
)
さん
又
(
また
)
晩
(
ばん
)
によ、
私
(
わたし
)
の
寮
(
りよう
)
へも
遊
(
あそ
)
びにお
出
(
い
)
でな、
燈籠
(
とうろう
)
ながして、お
魚
(
さかな
)
追
(
お
)
ひますよ、
池
(
いけ
)
の
橋
(
はし
)
が
直
(
なほ
)
つたれば
怕
(
こは
)
い
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いと
言
(
い
)
ひ
捨
(
ず
)
てに
立出
(
たちいで
)
る
美登利
(
みどり
)
の
姿
(
すがた
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
預
(
あづ
)
け置て
立出
(
たちいで
)
しが其後一向に歸り來らず然に昨年
祖母
(
ばば
)
も
病死
(
びやうし
)
し殘るは私し一人と成り
切
(
せめ
)
ては今一度
對面
(
たいめん
)
し度と存ず夫故に伊勢參宮より
故郷
(
こきやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
くれぐれも
脱心
(
ぬかる
)
なよ。「
合点
(
がってん
)
だ。と鉄の棒の長さ一尺ばかりにて握太きを小脇に隠し、勝手口より
立出
(
たちいで
)
しが、この
家
(
や
)
は用心厳重にて、つい近所への
出入
(
ではいり
)
にも、
鎖
(
じょう
)
を下す
掟
(
おきて
)
とかや。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨日
(
きのふ
)
甘
(
あま
)
へて
買
(
か
)
ふて
貰
(
もら
)
ひし
黒
(
くろ
)
ぬりの
駒下駄
(
こまげた
)
、よしや
疊
(
たゝみ
)
は
擬
(
まが
)
ひ
南部
(
なんぶ
)
にもせよ、
比
(
くら
)
ぶる
物
(
もの
)
なき
時
(
とき
)
は
嬉
(
うれ
)
しくて
立出
(
たちいで
)
ぬ、さても
東叡山
(
とうえいざん
)
の
春
(
はる
)
四
月
(
ぐわつ
)
、
雲
(
くも
)
に
見紛
(
みまが
)
ふ
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
の
花
(
はな
)
も
今日
(
けふ
)
明日
(
あす
)
ばかりの十七日
成
(
な
)
りければ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりながら指折り数うれば
最早
(
もはや
)
幾日か
過
(
すぎ
)
ぬ、奈良という事
臆
(
おも
)
い起しては
空
(
むな
)
しく遊び
居
(
お
)
るべきにあらずとある日支度整え勘定促し
立出
(
たちいで
)
んというに
亭主
(
ていしゅ
)
呆
(
あき
)
れて、
是
(
これ
)
は是は、婚礼も
済
(
すま
)
ぬに。ハテ誰が婚礼。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一旦潰れたる鹽原の
家
(
いえ
)
を起さなければ養父角右衞門様に義理が立たん、
余所
(
よそ
)
ながら五八や叔父太左衞門様へお
暇乞
(
いとまごい
)
をしようと覚悟を
極
(
きわ
)
めて、これから沼田の下新田を
立出
(
たちいで
)
るというお話に相成ります。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
客室
(
きゃくま
)
に通りて待たるれば、
侍女
(
こしもと
)
に
襖
(
ふすま
)
を開かせ、貞子の
方
(
かた
)
静々と
立出
(
たちいで
)
らる。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、
衣服
(
きもの
)
を
被
(
か
)
け、
彫像
(
てうざう
)
を
抱
(
いだ
)
いたなり、
狐格子
(
きつねがうし
)
を
更
(
あらた
)
めて
開
(
ひら
)
いて
立出
(
たちいで
)
たつる
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立竦
立籠
立塞
立留