“夫婦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふうふ35.4%
めおと20.0%
ふたり12.3%
めをと8.7%
いっしょ7.7%
みょうと6.7%
いつしよ3.1%
ひとつ1.0%
われら1.0%
いっしよ0.5%
つがい0.5%
めうと0.5%
めど0.5%
トヂミイトウ0.5%
フフ0.5%
ミイトウ0.5%
メヲト0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてちちのつもりでは、私達わたくしたち夫婦ふうふあいだ男児だんしうまれたら、その一人ひとり大江家おおえけ相続者そうぞくしゃもらける下心したごころだったらしいのでございます。
「妾はあのお方と約束をした。行末夫婦めおとになりましょうと。……おいで下され! おいで下され! そうして妾を愛撫して下され!」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「良人の養家、伊賀の小馬田こまたの領主、服部信清どののご家来などが、わたくしたち夫婦ふたりのものを、八方さがしていたのでございました」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
芸人といふものは、罪のないもので、夫婦めをと喧嘩をしたり、批評家とか蜂とかにされたりすると、直ぐに師匠のとこに駈けつけようとする。
「——元のように仲をもどして、お通と夫婦いっしょになりたいんだ。おばば、お通はおれを今でも思っていてくれてるだろうか」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして顔と顔を見合せた時、少年はほとんど友白髪まで添遂げた夫婦みょうとのごとく、事もなげに冷い玉かと見えるお雪の肩に手を掛けて
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
深川ふかがは木場きば材木ざいもくしげつたら、夫婦いつしよになつてるツておつしやつたのね。うしたつて出來できさうもないことが出來できたのは、わたしねんとゞいたんですよ。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
美男であり、勝入の姫とのあいだには、ほのかな恋のうわさまで立って夫婦ひとつになった彼として——きょうの死装束しにしょうぞくは、あまりにも悽愴せいそうすぎる。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
測り難し、夫婦われらは罪を負う身の
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
『春作が、それを手に入れたら、夫婦いっしよになってあげてもいいね。江戸を売って、京都あたりでちんまりと暮してみたい。もう、こんな碁会所なんて懲々こりごりだから——』
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恋人同士が手を取って月夜にそぞろ歩きをしたり、夕暮の空をねぐらにかえる鳥がつながって飛んだり、夫婦つがい鳩が巣の縁でくちばしを触れ合うところを見てさえ、彼女は真赤になっておこった。
老嬢と猫 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
日ざかりの黒樫の木の南風素つ裸なる夫婦めうとに吹くも
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
竿と、ビクとをたずさえた漁師の子供が二人——夫婦めどはなの方から、ここへ通りかかって、ふとくだんの滑稽なる持腐れを発見した第一の人となりました。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
夫婦トヂミイトウ 祖父母パアプチイ(又は、ふああふぢい。ふああ又は、ぱあは、婆のこと。即、祖母にて、ふぢい又は、ぷぢいは、うふぢい又は、うぷぢいの略にて、大父の義。即、祖父のことなり)
ワガフたつてゴト好ギだテハデれダ夫婦フフだネ。十年も死んだオドサ義理立デデ、この上なに辛口カラグヂきガれるゴドアあるベナせ。はいホロゲ、ンガめしの上のはいホロゲ、はゝゝゝゝゝ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
女男ヰナグヰキガ 妹兄ヰナイヰキイ 姉弟ヰナイヰキイ 夫婦ミイトウ
八尋殿をお建てになつて、天御柱を廻つて、夫婦メヲトの契りをなさつたと言ふ。此は不思議なことで、新しく結婚して、夫婦になると、家を建てる。此を妻屋ツマヤ(又、嬬)と言ふ。万葉にもある。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)