“ふたり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フタリ
語句割合
二人66.2%
両人10.0%
男女6.5%
夫婦3.2%
兄弟1.8%
兩人1.5%
母子1.2%
両女1.1%
二個1.1%
両個0.6%
(他:46)6.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつて乱心者らんしんものを取り抑えた際に、三右衛門ほか一人ひとりさむらい二人ふたりとも額に傷を受けた。
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
葉子は階子はしごの上がり口まで行って二人にかさをかざしてやって、一段一段遠ざかって行く二人ふたりの姿を見送った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
けれども両人ふたりが十五六間ぎて、又はなしり出した時は、どちらにも、そんな痕迹はさらになかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その甲斐けえがあって、斯うやってお両人ふたり揃っておいでなさるてえのは誠にお嬉しいことで、よくまアおいでなせえました
今、此の寺の石段をあえぎ登って来た男女ふたりは、一歩、山門を這入るとすぐ、そう云って、ぎくと足をすくめ合った。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お蔦と手をる際に立ち会って、その後また、男女ふたりがああなったから、俺に怒る筋はあるが、八十三郎へは何でだろう?」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「すぐ、夫婦ふたりに旅装いを急がすがいい。……そのうえで、わしの待つ一間へ連れて来てくれい。長い別れになろうも知れぬ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「法師は、右馬介うまのすけどのではありませんか。また、夫婦ふたりのお方も、たしかどこかで、お見うけしたような? ……」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、骨休めにと、茶を入れて、宥わり慰めてくれる間も、母はそうした訓誡くんかいを、兄弟ふたりに対して、忘れなかった。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兄弟ふたりのことばには、どこか奥州なまりがある。吉次の耳にはよく聞き分けられた。なつかしくもあり、不審でもある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茶の間に來て見ると妻は裁縫道具を片づけてゐた。晝飯を待つて兩人ふたりの小さな娘はもうちやんと其處に來て坐つてゐる。
其處に彼は、よぼよぼした飯焚めしたきの婆さんと兩人ふたりきりで、淋しいとも氣味が惡いとも思はずに住ツてゐる。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
母子ふたりをあいてに、ふた言三言、雑談しているうちだった。忙しげな足音や家臣の声を、廊の外において、あるじの高氏ひとりが、
と、直義はなお遠くで抗弁の肩を張った。いや後ろへ連れてきた母子ふたりに代り、非情な父、非情な男の、仕打ちを責めるかのようだ。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両女ふたりは人目に触れないで二階へ上ることができました。お君は、先に立ってその一室の障子を細目にあけて中を見入り、
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
両女ふたりは、息をつめて、もだしきった。眸と眸とは、曼珠沙華まんじゅしゃげのように、燃えあった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「神は我の如き人にあらざれば我かれに答うべからず、我ら二個ふたりして共に審判さばきに臨むべからず」と三十二節に言う。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
たちま部室へやしづかにひらいていりきたつた二個ふたりひとがある。
両個ふたりはその心を測りかねて、ことばでず、息をさへ凝して、むなしく早瀬の音のかしましきを聴くのみなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
更に両個ふたりの影に伴ひて、人のなさけの必ずこまやかなれば、必ずかうばしかりしもこの酒ならずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
二女ふたりは今まで争ッていたので、うるさがッてへやを飛び出した吉里を、お熊が追いかけて来たのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
二女ふたりは長い間、すごい勢いで言い合った。傍で制する磯野のことばも耳に入らなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
洞穴から一里ばかりもへだたった処に、一箇の飛行船があって、その側で二箇ふたりの人が何か頻りに立働いている。
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
お三重は、そして、あらためて二箇ふたりの老人に手をいた。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
洛中大火の時、翠蛾すいが潮音しおねの家も焼けて、どうしたか、あの姉妹ふたりの消息もそれきり知れなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が、江夏の太守であったとき、喬公という名家の二女を手に入れた。姉妹ふたりとも絶世の美人で、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両箇ふたりは一様にみむかへて、待つとしもなく動かずゐたりければ、その前に到れる角燈の光は隈無くまなく彼等をさらしぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その身をたてに宮は放さじと争ひてますます放さず、両箇ふたりが顔は互に息の通はんとすばかり近く合ひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
殘りの二者ふたり之を見て齊しくさけびて、あゝアーニエルよ、かくも變るか、見よ汝ははやふたつにも一にもあらずといふ 六七—六九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
是故に人たるものゝさががこの二者ふたりの性の如くになれること先にもあらず後にもあらずと汝の思ふを我はよしとす 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
兄妹ふたりは本郷真砂町まさごちやうの素人屋にへやを並べてゐて、信吾は高等学校へ、静子はなにがしの美術学校へ通つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
兄妹ふたりは本郷眞砂町の素人屋に室を並べてゐて、信吾は高等學校へ、靜子は某の美術學校へ通つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
強く、孫兵衛の利腕ききうでをとって、いたいけな角兵衛獅子の姉弟ふたりを、かばうように左の手で後ろに寄せた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその足もとへ、誰かぶつかった者があるので、初めてオヤと我に返って見ると、姉弟ふたりおさないものが手をつないでシクシクと泣いている……。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、口も利けなくなつた、兩個ふたりの爺さんがよれつもつれつして醉つてゐるのを見て、樂しいとも悲しいとも知れぬ感じが身に湧いて、私はたび/\涙を飮み込んだ。
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
で、當の兩個ふたりは全く夢中になつていがみ合はざるを得ない。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
両優ふたりとも若盛りで人気を争つてゐる間柄だつた上に、出し物は仮名手本かなでほん忠臣蔵で、仁左が師直もろなほ、鴈が判官はんぐわんといふ役割なので、双方の贔屓々々は両桟敷に分れて、めいめい好きな俳優のために大袈裟な力添へをしたものだつた。
両児ふたり嬉々ききとして、互いにもつれつ、からみつ、前になりあとになりて、室をで去りしが、やがて「万歳!」「にいさまあたしもよ」と叫ぶ声はるかに聞こえたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「いや吉次。実は、こう両名ふたりとも、ご主君からご勘当をうけてしまったのだ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四、五たび両妓ふたりがぶつかるうちに、当然、黒さんをはさんで張りッこになった。お鷹は、お蝶に情夫いろがあるのを知っていたので、
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船頭の声に、又太郎は、われに返った。惜しくはあったが、かねてから主従ふたりは、ここで降りる予定であった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
難波なにわの旅寝をその夜かぎりとして、次の日の主従ふたりはもう京へのぼる淀川舟の上だった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よう、得心してくれた。そなたも妙齢としごろ。いや後の二妹ふたりを嫁入らせるにも、先ず、そなたから先にまらねばなるまいし」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一体全体奥様の、今日の外出が、奇体じやないか。いつもは旦那と御一所か、さなくば朝を早く出て、退庁前には帰るのが、尻に敷くには似合はない、お定まりの寸法だに。今日に限つて、出時も昼后、供は一婢ひとりを、二婢ふたりにして、この間の今日の日に、お前ばかしを残すのは、よほど凄い思わくが、なくては、出来ぬ仕事じやないか。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
と互いにかたらうこの二嬢ふたりは。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
吉里が入ッて来た時、二客ふたりともその顔を見上げた。平田はすぐその眼をらし、思い出したように猪口ちょくを取ッて仰ぐがごとく口へつけた、酒がありしや否やは知らぬが。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
お梅は二客ふたりの外套帽子を取りに小万の部屋へ走ッて行った。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
二童ふたりは銭を握って表へ飛び出る。省作は茶でも入れべいとった。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
いざゆけ、導者よ、きみよ、師よ、兩者ふたりに一の思ひあるのみ、我斯く彼にいひ、かれ歩めるとき 一三九—一四一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
と、頬に守宮やもり刺青いれずみをしている一人の乾児が、梁から釣り下げられている典膳お浦ふたりを指さした。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)