“ふたつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フタツ
語句割合
二個24.3%
二歳23.1%
13.9%
8.7%
二箇6.4%
両個4.0%
4.0%
1.7%
二種1.7%
二者1.2%
二片1.2%
両箇1.2%
二滴1.2%
1.2%
両岐0.6%
二件0.6%
二匹0.6%
二尾0.6%
二年0.6%
二度0.6%
二朶0.6%
二束0.6%
二杯0.6%
二枝0.6%
兩箇0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同じ戸棚が左右に二個ふたつ、別に真中まんなかにずっと高いのを挟んで、それには真白まっしろきれかかっていた、と寝乱れた浴衣の、胸越に伺う……と白い。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
跡にはその時二歳ふたつになる孤子みなしごの三郎が残っていたので民部もそれを見て不愍ふびんに思い、引き取って育てる内に二年の後忍藻が生まれた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
彼の新なる悔は切にまつはるも、いたづらに凍えて水を得たるにおなじかるこのふたつの者の、相対あひたいして相拯あひすくふ能はざる苦艱くげんを添ふるに過ぎざるをや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「又左どの。——御辺と筑州とは、若年からの、ふたつなき別懇べっこん。戦いかくなるからは、この匠作に義理遠慮ははやり申さぬ。御分別よろしくあれや」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二階は十二畳敷二間ふたまで、階段はしごを上つたところの一間の右の一隅かたすみには、けやき眩々てら/\した長火鉢が据ゑられてあつて、鉄の五徳に南部のびた鉄瓶てつびん二箇ふたつかゝつて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
この両個ふたつは毎日、頭から湯気ゆげを出して——これは形容ではない、文字通り、その時は湯気を出していたのでしょう——高さにおいての競争で際限がない。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それからまだ不たしかではあったのですが、サセックスの塋穴におけるミイラにされた死骸の上に見つけられたふたつの霊宝について、報知が来ました。
鏡に映つた兒どもの、つらには凄いほど眞白まつしろ白粉おしろひつてあつた、まつげのみ黒くパツチリとひらいたふたつの眼の底から恐怖おそれすくんだ瞳が生眞面目きまじめ震慄わなないてゐた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ところで、その頃新聞といふものが幾つあつたかといふと、広い亜米利加を通じて、たつた二種ふたつあつただけだつた。
二者ふたつかなはぬ世の習なるに、女ながらもかう生れたらんには、そのさいはひは男にも過ぎぬべしなど、若き女は物羨ものうらやみの念強けれど、ねたしとは及び難くて、静緒は心におそるるなるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と、一段声を低めて「あの破火鉢やぶれひばちに佐倉が二片ふたつちゃんといかって灰がけて有るじゃア御座いませんか。 ...
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
両箇ふたつ屍骸しがいの前に、兵馬と福松は色を失って立っているが、さて、手のつけようのないことは同じです。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
較々やや霎時しばしして、自分はおもむろに其一片ひとひらの公孫樹の葉を、水の上から摘み上げた。そして、一滴ひとつ二滴ふたつしろがねの雫を口の中にらした。そして、いと丁寧に塵なき井桁の端に載せた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ふたつつばさうちふるひ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
目の前へ——水が、向う岸から両岐ふたつとがって切れて、一幅ひとはば裾拡すそひろがりに、風に半幅を絞った形に、薄い水脚が立った、と思うと、真黒まっくろつらがぬいと出ました。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婿が不足なのか、金持と縁を組みたいのか、主意は決してこの二件ふたつの外にはあるまい。言つて聞かしてくれ。遠慮はらない。さあ、さあ、宮さん、遠慮することは無いよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
うね/\とくねりからめる錦蛇一匹ひとつにかあらむ二匹ふたつにかあらむ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
岩魚いはなだいを三びきつて咽喉のどかはかすやうな尋常じんじやうなのではない。和井内わゐない自慢じまんのカバチエツポのふとつたところを、二尾ふたつ塩焼しほやきでぺろりとたひらげて、あとをお茶漬ちやづけさら/\で小楊子こようじ使つかふ。……
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
用は、この小児こども二年ふたつ姉が、眼病——むしろ目が見えぬというほどの容態で、随分実家さとの医院においても、治療に詮議せんぎを尽したが、そのかいなく、一生の不幸になりそうな。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にぎこぶし二度ふたつたゝくと、グツともちとほつたが鼻の障子しやうじけてしまつた。乞
土耳古の鼻をめた奴だ、白百合二朶ふたつの花筒へつら突込つっこんで、仔細しさいなく、ひざまずいた。
一個ひとつの抽匣から取り出したのは、一束ひとつかねずつ捻紙こよりからげた二束ふたつふみである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「——おっ、蕎麦屋さん」と、久助はわれを忘れたように呼びとめて「熱いのを、二杯ふたつくんな」と、思わずいってしまった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いひにける物語二枝ふたつわか不題こゝにまた忠兵衞は主命なれば詮方なくいと云難いひがたき事の由を親子の者に云傳へ其所そこをばにげも出せしが追掛おひかけらる事もやとこゝろの恐れに眞暗まつくら散方さんばう跡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とまをして、鹽盈つ珠鹽乾る珠并せて兩箇ふたつを授けまつりて、すなはち悉に鰐どもをよび集へて