“さう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サウ
語句割合
15.2%
左樣14.3%
左様11.6%
8.0%
7.6%
5.8%
5.8%
左右5.4%
3.6%
2.7%
2.7%
2.2%
1.8%
1.8%
其様1.3%
然樣0.9%
然様0.9%
0.9%
0.9%
0.4%
其樣0.4%
嗟吁0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此処ここのアラビヤ族の黒奴くろんぼ馬来マレイ印度インドのに比して一層毒毒どくどくしい紫黒色しこくしよくをして居て、肉も血も骨までも茄子なすびの色を持つて居さうに想はれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
結構けつこうらしい、ことばかりおもひます、左樣さういふことおもふにつけて現在げんざいありさまがいやいやで、うかして此中このなかをのがれたい、此絆このきづなちたい
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つれなる書生のしたり顔「左様さうサ、陸海軍御用商人、九州炭山株式会社の取締、俄大尽にはかだいじん出来星できぼし紳商山木剛造殿の御宅は此方こなたで御座いサ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そのとき買物かひものざるひとつ。さうして「三十五錢さんじふごせん俥賃くるまちんられたね。」と、女房かみさんふと、またむすめそばて、「ちがふよ、五十錢ごじつせんだよ。」とふ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おそかなおのれより三歳みつわか山田やまだすで竪琴草子たてごとざうしなる一篇いつぺんつゞつて、とうからあたへつ者であつたのは奈何どうです、さうふ物を書いたから
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして右手に長く寝そべつてゐる、一さうの新造船を指さした。「あれが一噸四百円のお引受でしたもの、今ぢや四百五十円を一文欠きましても……」
ならばッぱくなるし——カミツレさうならばにがくするし——トつて——トつて砂糖さたうやなどでは子供こどもあまやかしてしまうし。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
エニンは昔のエンガンニム、海抜約六百五十フイート、人口二千左右さう小邑せういふ、サマリヤの山尽きしもガリラヤの平原起る所のさかひにあり。
のですが、それが、黒目勝くろめがちさうひとみをぱつちりとけてる……に、此處こゝころされるのだらう、とあまりのことおもひましたから、此方こつちじつ凝視みつめました。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「まだあるよ。淺草馬道の壽滿寺じゆまんじでは、狩野法眼元信の高士觀瀑かうしくわんばくの幅が盜られ。日本橋本銀ほんぎん町の阿波屋藤兵衞は雪舟の秋景山水の六曲一さう屏風びやうぶがやられてゐる」
アヽ罪過が戯曲、小説に於ける地位、かくの如く重要なり。あへて罪過論をさうして世上のアンチ罪過論者にたゞす。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
先刻さつきまであをかつたそらも、何時いつとはなし一めん薄曇うすぐもつて、其処そこらがきふ息苦いきぐるしく、頭脳あたまは一さうおしつけられるやうになる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
病床にありての作なるからに調てうさうも常にまして整はざるところ多し。讀者の寛恕を乞ふになむ。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
○およそわが越後に名高く七不思議なゝふしぎにかぞへいふ蒲原郡かんばらごほり如法寺村によほふじむら百姓さう右エ門(七兵衛孫六が家にも地火あり)が家にある地中よりもゆる火は、あまねく人の知る所なれども
其様さう手軽く恋愛が成り立つものでない、其れが自分のヤマで、此の男主人公と、其の夫人——常に基督キリストの教訓を真向にかざして、博愛事業に関係してゐる
未亡人と人道問題 (新字旧仮名) / 二葉亭四迷(著)
女ども聞て此丸龜にて江戸屋清兵衞と申は此方ばかり夫ではちがひ御座りませんと云に長兵衞はたひざうちオヽ然樣さうだ餘り思ひ過しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
高望王が上総介、六孫王が武蔵介、およそかゝる身分の人〻がかゝる官に任ぜられたのは当時のならひであるから、興世王もけだ然様さういふ人と考へて失当しつたうでもあるまい。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
容易に露顯ろけんしなかつたのですが、拔け荷と關係があると睨んだ、平次の慧眼けいがんに見破られ、到頭一味十人こと/″\く生捕られ、直ぐ樣手配をされて、大阪、長崎に居る仲間まで一さうされて了ひました。
ひとしきり飛び連れ下りるさうぞきの、さて出立でたつらむ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
昨夜さくや新嘉坡シンガポールはつ、一ぺん長文ちやうぶん電報でんぽうは、日本につぽん海軍省かいぐんせう到達たうたつしたはづであるが、二さう金曜日きんえうびをもつて、印度大陸インドたいりく尖端せんたんコモリンのみさきめぐ錫崙島セイロンたうをきぎ、殘月ざんげつあはきベンガル灣頭わんとう行會ゆきあエイフツ
端艇競漕ボートレース本職ほんしよくことだから流行はやるのも無理むりいが、大事かんじん端艇ボートかつおこつた大颶風だいぐふうめに大半たいはん紛失ふんしつしてしまつたので、いまのこつてるのは「ギク」一さう、「カツター」二さうで、オール餘程よほど不揃ふぞろひなので
さて其樣さうならば着手の處はの樣なところで有らうか。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
縮却項暗嗟吁 くび縮却ちぢめ ひそかに嗟吁さう
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
信州御岳参みたけまゐり七回の経験けいけんあるをき衆皆之をさうとす、此峠をぐれば字上ヶ原の大平野あり、広袤こうばう凡一万町歩、みづあり良草りやうさうあり以て牧塲ぼくじやうとなすにてきす、今之を不毛にるは遺憾いかんと云ふべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
どれだけ勵行れいかうされたかはらぬが、その意氣いきさうとすべきである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
きざはしの玉靴たまぐつ小靴をぐついでまさずば牡丹ちらむとさうさまほしき
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
孫權そんけん或時あるときさう再興さいこうをして屏風びやうぶゑがかしむ、畫伯ぐわはくふでつてあやまつておとしてしろきにてんつ。つてごまかして、はへとなす、孫權そんけんしんなることをうたがうてもつはじいてかへりみてわらふといへり。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それは古風な大和琴やまとごとだのさうだのといふ楽器を鳴らして、はかまをはいた小さな——非常に小さな——巫女みこが舞ふのが、矢張やはり優美だつたといふ記憶がのこつてゐる。
一番気乗のする時 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
川崎備寛かはさきびくわん長尾克ながをこくなどの面面めんめんで、一とうとうを一まるまる、一さうさうを一たけたけといふふうび、三元牌サンウエンパイポンされたあとのこりの一まいてると、それがカンになり
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
勿論もちろん外形ぐわいけいあらはれてもなにいぶかしいてんはないが、すこしくわたくし異樣ゐやうおぼえたのは、さう噸數とんすう一千とんくらゐにしてはその構造かうざうあまりに堅固けんごらしいのと
「二番さう、三番艙浸水。総員ポンプへ!」
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
佐久間玄蕃さくまげんば中入なかいり懈怠けたいのためか、柴田勝家しばたかついへしづたけ合戰かつせんやぶれて、城中じやうちう一息ひといき湯漬ゆづけ所望しよまうして、悄然せうぜんきたさうへとちてく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いかにさびしき秋の日の光なりしよ。いかに秋風の空高く、わが思をして遠くかのさうに入らしめしよ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
その後身であつたさう社も、若い人達の集合であつたにも拘らず、新しいヨウロツパの思潮に触れず、唯、単に技巧と娯楽とを基礎にしたやうな作品ばかりを公にしてゐた。
『蒲団』を書いた頃 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)