“俥賃”の読み方と例文
読み方割合
くるまちん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのとき買物かひものざるひとつ。さうして「三十五錢さんじふごせん俥賃くるまちんられたね。」と、女房かみさんふと、またむすめそばて、「ちがふよ、五十錢ごじつせんだよ。」とふ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なあに、病院の方は、オタスケ病院だから、一切いっさい金はらねえのよ。俥賃くるまちんだの何だのは、長屋の者から五銭ずつ集めて、それで立派に間に合ったから心配しねえがいい」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俥賃くるまちんなしの大雪に逢って、飜訳ものの、トルストイや、ツルゲネーフと附合ったり、ゲーテ、シルレルを談じたって、何の役に立つものか。そこへくと三馬だ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)