“さかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サカン
語句割合
49.1%
17.2%
15.6%
9.5%
1.9%
左官1.3%
熾盛0.5%
0.5%
0.5%
少目0.3%
0.3%
左咸0.3%
0.3%
査官0.3%
0.3%
熾烈0.3%
猖獗0.3%
盛世0.3%
茶間0.3%
茶館0.3%
0.3%
0.3%
隆盛0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
反之これにはんして或る場合にはあたかも革命時代の如く組織の如何は比較的閑却せられ、社会の内部における個人のみがさかんに活躍する時代があります。
流れ行く歴史の動力 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
と、両方の手へ、仮面をかぶった顔をのせて、さかんに、火の粉を吹きあげて来る修羅のさわぎを、他人事ひとごとのように見下ろしていました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さっきから歌うように鳴り出していた雨樋は、いよいよさかんな雪解水が注ぎこみ、時々ゴボゴボゴボとむせび泡立つ音を立てている。
今朝の雪 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
故に仏を奉ずる者の、三先生に応酬するがごとき、もとこれ弁じやすきの事たり。たんを張り目を怒らし、手をほこにし気をさかんにするを要せず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
はるよりして、流言妖語りうげんえうごさかんおこなはれ、十月じふぐわつ十二日じふににちには、たちまち、兩水道りやうすゐだうどくありと流傳りうでんし、市中しちう騷動さうどうふべからず、諸人しよにんみづさわぐこと、さわぐがごとし。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それじゃあ、その男というのがこの辺にいるんでしょうか。」と、となりの左官さかん屋のむすめが訊きました。
蜘蛛の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
致されたり斯て天一坊の威光ゐくわう熾盛さかんに下に/\と呼りつゝ芝八山の旅館りよくわんを指て歸りける此時大岡越前守には八山の方を睨付にらみつけうんと計り氣絶せしかば公用人をはじめ家來等驚いて打寄氣付藥を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この仇の報ぜられたる時、天朝は恢復せられ、而て天下は天ののこせる治者に復せん。天下太平の建設を扶助するものは、王侯に封ぜられ、而て其子孫は永くさかんならん。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
田口益人たぐちのますひとが和銅元年上野国司かみつけぬのくにのつかさとなって赴任ふにんの途上駿河するが浄見きよみ埼を通って来た時の歌である。国司はかみすけじょうさかんともに通じていうが、ここは国守である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
天平感宝てんぴょうかんぽう元年五月九日、越中国府の諸官吏が、少目さかん秦伊美吉石竹はたのいみきいわたけの官舎で宴を開いたとき、主人の石竹が百合の花をかずらに造って、豆器ずきという食器の上にそれを載せて、客人にわかった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
謙一郎の子は香苗、武夫、幸男で、香苗は税務さかん、武夫は台湾総督府技手、幸男は学生で史学に従事してゐる。一女は三宅典膳の孫徹男に嫁した。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
主簿しゅぼ左咸さかんが意見した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或日村方の有志とも云うべき岩村さかん、武井峰松、この二人がやって来たが
又「これは至極妙策、成程い策だが、ポッポと火をいたら、又巡行の査官さかんに認められ、何故なぜ火を焚くと云ってとがめられやしないか」
みずから父母を懐うのみならず、父母のおのれを懐うこと、さらにおのが父母を懐うよりも幾層さかんなるに想着し、「今日の音ずれ何と聞くらん」という。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
仏教修業の結果どんな熾烈さかんな愛欲や誘惑の中に入っても、これをよく節度して、その悪果に染まないように、その心身を自由に、大きく、かつしっかりさせるのです。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
が、漸々だんだん病勢が猖獗さかんになるにれて、渠自身も余り丈夫な体ではなし、流石に不安を感ぜぬ訳に行かなくなつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
かね一ツうれぬ日はなし江戸の春とは幕府ばくふ盛世さかんなる大都會の樣をわづか十七文字につゞりたる古人の秀逸にして其町々の繁昌はことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そういう陰性の声は彼の多忙な心はおろか茶間さかんの耳を傾けさすにも足りなかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに顔を知らない同幇匪同志の初対面の挨拶ぶりを書いて見る。先ず甲匪が外埠に行って茶館さかんに上ったとする。するとこの土地の同幇と馴染なじみになって置く必要があるので、暗号で同幇に知らせる。
就中なかんづく河間かかん王深わうしん居邸きよてい結構けつこう華麗くわれいしゆたるものにして、しか高陽王かうやうわうくわきそひ、文柏堂ぶんはくだう造營ざうえいす、さかんなること帝居ていきよ徽音殿きおんでん相齊あひひとし、清水しみづ玉轆轤ぎよくろくろき、黄金わうごんつるべるに
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
甲派亡びて乙派興り、丙流衰へて丁流さかんなるの順序と、その各派の相違と変遷の原因とは歴史的研究の主なる者なり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
八年以来このかたわずらい煩いしていた細君が快くなったというだけでも大したことであるのに、家はますます隆盛さかんな方だし、出入ではいりするものも多くなって来たし、好い事だらけだ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)