“馴染”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なじみ69.5%
なじ28.5%
なじむ0.4%
なず0.4%
なじん0.4%
なぢみ0.4%
なれそ0.4%
なじま0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒山拾得の出来損いだろうなんぞと悪口を叩かれるので、最初から、弁信、米友でございと名乗ってしまえば、お馴染は極めて多い。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そしてその思いにも落ちつき、新しい周囲にも心が馴染んで来るにしたがって、峻には珍しく静かな心持がやって来るようになった。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
珠運も思いなく色々の始末に七日余り逗留して、馴染につけ亭主頼もしく、お可愛く、囲炉裏に極楽国、迦陵頻伽笑声じければ客あしらいされざるもて気楽に
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何時緑をとったか分らないような一本の松が、息苦しそうに蒼黒い葉を垣根のに茂らしているに、木らしい木はどなかった。馴染まない地面は小石りに凸凹していた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
店へも出られないので流し元を働いておりましたが子供の時分から此のにおりますので、馴染では居るし、人情ですから駈出して来て
十年余り前に靜と鏡子が渋谷で世帯を持つた頃に逢つたり逢はない昔馴染小原も来て居た。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
口惜涙がいつか未練の涙にかはり、花子の胸には白井と馴染めた娘時分の事が思返されて来る。二人とも有馬小学校の同級生で、帰宅してからも互に往来して一ツしよに学課の復習もした。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
真逆当りは仕ませんけれど既に店番が藻西を見たと云い其上て居た犬は藻西の外の者へは馴染ぬとも云たのでしょうや考えて見ると藻西と云う方がうしても近いかと思われます
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)