“なれそ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馴初50.0%
馴染50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自体、お前と云うものがあるのに、ほかへ女をこしらえてすむ訳のものじゃあねえ。そもそもの馴初なれそめがさ。歌沢の浚いでおれが「わがもの」を語った。あの時お前が……」
老年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ふとしたことから、こうしてかこって置くおめかけの身の上や、馴初なれそめのむかしを繰返して考える。お妾は無論芸者であった。仲之町なかのちょう一時いちじならした腕。芸には達者な代り、全くの無筆むひつである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
口惜涙くやしなみだがいつか未練の涙にかはり、花子の胸には白井と馴染なれそめた娘時分の事が思返されて来る。二人とも有馬小学校の同級生で、帰宅してからも互に往来ゆききして一ツしよに学課の復習もした。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
若気のあやまり、此の源さまと馴染なれそめた所から、源さまは御勘当になりまして、き所のないようにしたはみんわたしゆえと思い、悪いこととは知りながらお屋敷を逃出し、源さまと手を取り合い