“なじみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馴染95.1%
昵懇1.9%
狃染1.1%
三回0.3%
三回目0.3%
0.3%
狃除0.3%
知人0.3%
親近0.3%
面識0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今度来た玄関の書生は馴染なじみが薄いから、巻莨まきたばこの吸殻沢山な火鉢をしきりに突着けられても、興に乗る話も出ず。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
百人一首でおさ馴染なじみ業平なりひらの冠に著けた鍋取なべとりによく似た物を黒革作りで高帽の一側に著けあり。
薄暗い書庫のなかには、色々な書物ほんがさつと一度に猫のやうな金色な眼を光らせて、この昵懇なじみの薄いお客を見つめた。
千利休がある時昵懇なじみの女を、数寄屋すきやに呼び込んで内密話ひそひそばなし無中むちゆうになつてゐた事があつた。
剥げた八寸膳の上に薄汚ない茶碗が七ツ八ツ……それでも夏は海から吹き通しだし、冬の日向きがよかったので、街道通いの行商人なぞがスッカリ狃染なじみになっていた。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ハイ。狃染なじみの芸者が風邪を引いているのを過って盛り殺した奴で……」
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その後も外記は遊びに来た。二回うらにはやはり玉琴の客と一緒に来た。三回なじみを過ぎてからは一人でたびたび来るようになった。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その次の夜には三回目なじみを付けた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこへ矢島玄碩の二女、優善やすよしの未来の妻たる鉄が来て、五百に抱かれて寝ることになった、蜾蠃からの母は情をめて、なじみのない人の子をすかしはぐくまなくてはならなかったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
太平楽くな。ええ。このケダモノが……何かあ。貴様がしにさえすれあ二十円取れる。市役所へ五十銭附けて届けれあ葬式は片付く。アトは丸山にて貴様の狃除なじみをば喜ばしょうと思うに、要らん事に全快ようなったりして俺達をば非道ひどい眼に合わせる。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ハテナ、近所のやつに貸た銭でもあるかしらん。知人なじみも無さそうだし、貸す風でもねえが。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
航海の快楽 郷里の親友信者が波間のボート中より各自に帽子あるいはハンカチーフを空に振りつつ壮快に西に向って進行するわが舟を見送りましたが、その後は和田の岬より古き親近なじみの金剛信貴しき生駒いこまの諸山に別れてただ我が一心を主として行くこととなりました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
実は、御様子はうすうす承っていましたし、ああして時々浜でお目にかかるのですから、ぜひ伺いたいと思う事もたびたびあったのですが、——それがこうふとお心やすくいたすようになりますと、またすぐお別れ申すのは、まことに残念でございますよ。しかしこう申してはいかがでございますが、私にはどうしても浅日ちょっとのお面識なじみの方とは思えませんよ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)