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昵懇
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なじみ
ふりがな文庫
“
昵懇
(
なじみ
)” の例文
昵懇
(
なじみ
)
になると面倒だからといつて同じ女を滅多に二度と
聘
(
よ
)
ばないのを自慢にしてゐる位だから京都に飽いたといふのに無理も無いが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼は
今日
(
こんにち
)
まで、俗にいう下町生活に
昵懇
(
なじみ
)
も趣味も
有
(
も
)
ち得ない男であった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
本屋はその飜訳をかねて
昵懇
(
なじみ
)
のある物堅い牧師さんに頼んだ。牧師さんはそんな風な書物を読むのは多分初めてであるらしかつた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
昵懇
(
なじみ
)
芸者のなかには、
偶
(
たま
)
には竹風の書いた長襦袢を、呉服屋の書出しなどと一緒に叮嚀に
蔵
(
しま
)
ひ込んでるのもあると聞いてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
薄暗い書庫のなかには、色々な
書物
(
ほん
)
がさつと一度に猫のやうな金色な眼を光らせて、この
昵懇
(
なじみ
)
の薄いお客を見つめた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
その
室
(
へや
)
は上田敏氏や、平田
禿木
(
とくぼく
)
氏や、与謝野晶子女史やが泊りつけのもので、私にはとりわけ
昵懇
(
なじみ
)
が深かつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一人は徳川の四天王、一人は江戸の国学者、一人は幕末の剣術使ひで、新村氏とはみんな深い
昵懇
(
なじみ
)
であつたが、不都合な事には、誰一人年賀状を
寄
(
よこ
)
してゐなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
句読点といへば、ある時近松門左衛門の
許
(
とこ
)
に、かねて
昵懇
(
なじみ
)
の
珠数
(
じゆず
)
屋が訪ねて来た。その折
門左
(
もんざ
)
は鼻先に眼鏡をかけて、自作の浄瑠璃にせつせと句読点を打つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは外でもない、新画
流行
(
はやり
)
の今日この頃、
予
(
かね
)
て顔
昵懇
(
なじみ
)
の画家達を拝み倒して、
資本
(
もとで
)
要らずの
画
(
ゑ
)
をしこたま駆り集め、その即売会を開いて、たんまり
懐中
(
ふところ
)
を膨らまさうといふのだ。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼はかういつて、最後の
一瞥
(
いちべつ
)
を長い間の
昵懇
(
なじみ
)
だつた大地の上に投げた。
春の賦
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“昵懇”の意味
《名詞》
昵懇(じっこん)
非常に親しいこと。懇意。
(出典:Wiktionary)
昵
漢検1級
部首:⽇
9画
懇
常用漢字
中学
部首:⼼
17画
“昵懇”で始まる語句
昵懇妓
昵懇客