“偶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たま48.7%
13.8%
たまたま12.9%
たまた12.1%
たま/\7.8%
ぐう0.9%
ふと0.9%
0.4%
たぐ0.4%
つれあい0.4%
てう0.4%
ひよい0.4%
ひよつ0.4%
まぐ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そう俯向いてばかりいないでたまにはこっちをごらんよ、私はまだ妻の顔さえよく知らない良人だ、——これは少し変則だと思うがね」
山椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
燒けもしないで白骨になりかけたのなぞもあつたらなぞ、とそんな事を考へると、私は山を振り返へつてみる勇氣もありませんでした。
大島行 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
いでわたくしは保さんをおうと思っていると、たまたまむすめ杏奴あんぬが病気になった。日々にちにち官衙かんがにはかよったが、公退の時には家路を急いだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かかれば何事にも楽むを知らざりし心の今日たまたま人の相悦あひよろこぶを見て、又みづからよろこびつつ、たのしの影を追ふらんやうなりしは何の故ならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其れがたま/\参政権問題となつて鉾先を示して居るのだと思ふ。従つて又𤍠中の余りに急進派の暴動を生ずるのも一の過程であらう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
鶴ほどに長い頸の中から、すいと出る二茎ふたくきに、十字と四方に囲う葉を境に、数珠じゅずく露のたま二穂ふたほずつぐうを作って咲いている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其奇跡を尋んとおもふ事としありしに、文化八年七月ふとおもひたちて友人四人(●嘯斎●擷斎●扇舎●物九斎)従僕等じゆぼくらに食類其外用意の物をもたせ、同月五日未明にたちいで
孔子、王道を行なわんと欲して東西南北し、七十たびぜいしたれども、う所なかりき。故に衛の夫人と弥子瑕とに因りて、その道を通ぜんと欲せり。(『淮南子えなんじ』、泰族訓)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たぐク 偶ヘル妹ヲ………
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
二三日すると呉王は魚につれあいのないのを憐んで、一羽の雌をめあわしてくれた。それは竹青ちくせいという名であった。雌雄は互いに愛しあって楽しく暮していた。
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
梶棒とつては、気が利ねど、てうと半との、賽の目の、運が向いたら、一夜の隙に、お絹布かいこ着せて、奥様に、劣らぬ生活くらしさせてみる。えお園さん、どうしたもの。沈黙だまつてゐるは死にたいか。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
三人のうちで、一番たけの高いお山と云ふ女がひよい振顧ふりむくと、『可厭いやだよ。誰かと思つたらお大なんだよ。』と苦笑にがわらひしながらばつが惡いと言ふていで顏を見る。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「その代り、ひよつとしてお前が後になるやうだつたら、俺は死んでも……たましひはおまへの陰身かげみを離れないから、必ず心変こころがはりを……す、するなよ、お静」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
君の探偵はまぐあたりだ今度の事でも偶々たま/\お紺の髪の毛が縮れて居たから旨く行た様な者の若しお紺の毛が真直だッたら無罪の人を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)