“苦笑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にがわら39.4%
にがわらい23.9%
くしょう12.9%
くせう11.6%
にがわらひ11.0%
くしやう0.6%
にやり0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「宿屋きめずに草鞋わらじを脱ぐ」……母がこんな事を葉子の小さい時に教えてくれたのを思い出したりして、葉子は一人で苦笑にがわらいもした。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「や、駒越氏こまごえうじには、もう見付られたか。余の儀は知らず女に掛けては恐しく眼の利く御人でがな」と総髪の人は苦笑にがわらいを禁じ得なかった。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
呂宋兵衛の辞退をきくと、半助は、だれも刑場けいじょうへでると、一しゅ鬼気ききにおそわれる、その臆病風おくびょうかぜ見舞みまわれたなと、苦笑くしょうするさまで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとり苦笑くせうする。のうちに、何故なぜか、バスケツトをけて、なべして、まどらしてたくてならない。ゆびさきがむづがゆい。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いぬはまたなめた。其舌そのした鹽梅あんばいといつたらない、いやにべろ/\してすこぶるをかしいので、見物けんぶつ一齊いつせいわらつた。巡査じゆんさ苦笑にがわらひをして
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
是はあによめの質問と同様であるが、代助は梅子うめこたいする様に、たゞ苦笑くしやうばかりしてはゐられなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
誰にでも翻弄ほんろうされると、途方に暮れる私だから、よんどころなく苦笑にやりとして黙って了うと、下女は高笑たかわらいして出て行って了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)