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苦笑
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にがわらひ
ふりがな文庫
“
苦笑
(
にがわらひ
)” の例文
犬
(
いぬ
)
はまたなめた。
其舌
(
そのした
)
の
鹽梅
(
あんばい
)
といつたらない、いやにべろ/\して
頗
(
すこぶ
)
るをかしいので、
見物
(
けんぶつ
)
が
一齊
(
いつせい
)
に
笑
(
わら
)
つた。
巡査
(
じゆんさ
)
も
苦笑
(
にがわらひ
)
をして
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「御挨拶ですね。」と紳士は
苦笑
(
にがわらひ
)
した。「これには
理由
(
わけ
)
があるんです、私は
口許
(
くちもと
)
が悪いもんですから、それで……」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
三人のうちで、一番
丈
(
たけ
)
の高いお山と云ふ女が
偶
(
ひよい
)
と
振顧
(
ふりむ
)
くと、『
可厭
(
いや
)
だよ。誰かと思つたらお大なんだよ。』と
苦笑
(
にがわらひ
)
しながら
罰
(
ばつ
)
が惡いと言ふ
體
(
てい
)
で顏を見る。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
然
(
さ
)
うかね。
併
(
しか
)
し然う一々天氣にかこつけられちや、天氣も
好
(
い
)
い
面
(
つら
)
の皮といふもんさ。」と
苦笑
(
にがわらひ
)
して、「だが幾ら
梅雨
(
つゆ
)
だからツて、
此
(
か
)
う毎日々々降られたんぢや
遣切
(
やりき
)
れんね。 ...
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
けふ月給の渡る日と聞いて、酒の貸の催促に来たか、とは敬之進の寂しい
苦笑
(
にがわらひ
)
で知れる。『ちよツ、学校まで取りに来なくてもよささうなものだ。』と敬之進は
独語
(
ひとりごと
)
のやうに言つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
そこでカサンドルは大事さうに
假髮
(
かづら
)
をお拾ひなさる、アルルカンは粗忽者の尻をいやといふほど蹴飛すと、コロムビイヌは笑ひこけて涙を
拭
(
ふ
)
く、ピエロオは厚化粧の
苦笑
(
にがわらひ
)
で耳までも口を
開
(
あ
)
いた。
胡弓
(旧字旧仮名)
/
ルイ・ベルトラン
(著)
お峯は
苦笑
(
にがわらひ
)
しつ。
明
(
あきらか
)
なる障子の
日脚
(
ひざし
)
はその
面
(
おもて
)
の
小皺
(
こじわ
)
の読まれぬは無きまでに照しぬ。髪は薄けれど、
櫛
(
くし
)
の歯通りて、
一髪
(
いつぱつ
)
を乱さず
円髷
(
まるわげ
)
に結ひて顔の色は赤き
方
(
かた
)
なれど、いと好く
磨
(
みが
)
きて
清
(
きよら
)
に
滑
(
なめらか
)
なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
三四郎は
苦笑
(
にがわらひ
)
をした。余計な事を云つたと思つた。すると広田さんが
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
持出し伊賀亮どの
貴殿
(
きでん
)
只今の
失言
(
しつげん
)
聞惡
(
きゝにく
)
し則ち御
落胤
(
らくいん
)
に
相違
(
さうゐ
)
なき證據は是にあり
篤
(
とく
)
と
拜見
(
はいけん
)
あるべしと出し示せば伊賀亮
苦笑
(
にがわらひ
)
しながら
然
(
さら
)
ば拜見せんと手に取上これは
紛
(
まがひ
)
なき
當
(
たう
)
將軍家の
御直筆
(
ごぢきひつ
)
なり又御短刀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
時
(
とき
)
には
苦笑
(
にがわらひ
)
をしたりして。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と
強
(
し
)
ひるやうに言つた。然し大日向は
苦笑
(
にがわらひ
)
するばかり。
奈何
(
どんな
)
に
薦
(
すゝ
)
められても、決して上らうとはしない。いづれ近い内に東京へ出向くから、猪子の家を尋ねよう。其折丑松にも逢はう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と
苦笑
(
にがわらひ
)
をして
又
(
また
)
俯向
(
うつむ
)
いた……フと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
くと、
川風
(
かはかぜ
)
に
手尖
(
てさき
)
の
冷
(
つめた
)
いばかり、ぐつしより
濡
(
ぬ
)
らした
新
(
あたら
)
しい、
白
(
しろ
)
い
手巾
(
ハンケチ
)
に——
闇夜
(
やみ
)
だと
橋
(
はし
)
の
向
(
むか
)
うからは、
近頃
(
ちかごろ
)
聞
(
きこ
)
えた
寂
(
さび
)
しい
處
(
ところ
)
、
卯辰山
(
うたつやま
)
の
麓
(
ふもと
)
を
通
(
とほ
)
る、
陰火
(
おにび
)
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その頃流行の探偵小説から思ひついて、ニツク・カアタアといふ名で宝石屋荒しを
行
(
や
)
つてゐたのが、実はそのワルゼエ自身なので、上官の捜索命令をうけた時は
流石
(
さすが
)
に
苦笑
(
にがわらひ
)
をしない訳に
往
(
ゆ
)
かなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
長き
髯
(
ひげ
)
を
推揉
(
おしも
)
みつつ鴫沢は
為方無
(
せんかたな
)
さに
苦笑
(
にがわらひ
)
して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と
野中
(
のなか
)
の
古廟
(
こべう
)
に
入
(
はひ
)
つて、
一休
(
ひとやす
)
みしながら、
苦笑
(
にがわらひ
)
をして、
寂
(
さび
)
しさうに
獨言
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
つたのは、
昔
(
むかし
)
、
四川酆都縣
(
しせんほうとけん
)
の
御城代家老
(
ごじやうだいがらう
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
持
(
も
)
つて、
遙々
(
はる/″\
)
燕州
(
えんしう
)
の
殿樣
(
とのさま
)
へ
使
(
つかひ
)
をする、
一刀
(
いつぽん
)
さした
威勢
(
ゐせい
)
の
可
(
い
)
いお
飛脚
(
ひきやく
)
で。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
為
(
せ
)
う事無さに主も
苦笑
(
にがわらひ
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
佛
(
ほとけ
)
、
苦笑
(
にがわらひ
)
したまひて、
我
(
われ
)
は
知
(
し
)
らずとのたまひぬ。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
童
(
わつぱ
)
は
猿眼
(
さるまなこ
)
で
稚
(
ちひさ
)
いのを
見
(
み
)
ると
苦笑
(
にがわらひ
)
をして
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
とばかりに、
苦笑
(
にがわらひ
)
。
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とフト
苦笑
(
にがわらひ
)
した。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“苦笑”の意味
《名詞》
苦 笑(くしょう)
怒りや不快感を持ちながらやむを得ず笑うこと。にがわらい。
(出典:Wiktionary)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“苦”で始まる語句
苦
苦悶
苦々
苦痛
苦患
苦力
苦労
苦手
苦衷
苦心