“櫛”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
くし90.7%
ぐし8.3%
くしけ0.3%
くしけず0.3%
0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おや、此所こゝらつしやるの」と云つたが、「一寸ちよいと其所そこいらにわたくしくしが落ちてなくつて」と聞いた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それで、ほうぼう姫のからだをしらべてみますと、どくくしが見つかりましたので、それをひきぬきますと、すぐに姫は息をふきかえしました。
三次も客と見せかけるために、前へいろいろなくしこうがいの類を持ち出すように頼んで、それをあれこれと手にとりながら、声を潜めて言った。
雪のが沈む……しろがねくし照々てらてらと、両方のびんに十二枚の黄金こがねかんざし、玉の瓔珞ようらくはら/\と
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
支那事変の影響は、一方、日本趣味の復活に結婚式のくしこうがい等に鼈甲の需要をまた呼び起したと共に、一方大陸へのけ口はとまった。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この車はお六ぐしを売る宿しゅくあたりまでしか乗せないので、遠く行こうとする旅人は其処そこで一つ山を越えて、更に他の車へ乗替えなければ成らなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
昼前に久しぶりにてびんにさしぐしする髪に結ひ上げさふらひしは、帽子の留針とめばりのためにさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ゆびにはめ、馬爪ばづのさしぐしにあるひと本甲ほんかうほどにはうれしがりしものなれども、人毎ひとごとめそやして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれども朝に、こわれた古ぐしで素絹のように流れたきれいな髪をとかす時には、おめかしの一瞬を楽しむのであった。
お八重に送らせて行った葉子の断髪にお六ぐししたあだな姿を、まざまざ目に浮かべながら、ちょっと見当もつきかねるのが、もどかしくも歯痒はがゆくもあったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ところが幾日いくかとなく洗いもくしけずりもしない髪が、あぶらあかで余の頭をうずくそうとする汚苦むさくるしさにえられなくなって、ある日床屋を呼んで、不充分ながら寝たまま頭に手を入れて顔に髪剃かみそりを当てた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もしこれを疑う人あらば請う北海の朔風さくふうくしけずり、寒山の氷雪に浴し、鉄鎖につながれてシベリアの採鉱場に苦役する虚無党の罪人に向かってこれを問え。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そのおれば嬋娟せんけんたる美姫を擁して巍々ぎぎたる楼閣に住し、出ずれば肥馬にまたがり、軽車にし、隷従雲のごときは全国人民をして風にくしけずり、雨に浴し、父子兄弟妻子をしてあいともに離散し、あいともに溝壑こうがくに転ぜしめたればなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
お岩は体をふるわしながら鉄漿を付け、それから髪をきにかかったが、くしを入れるたびに毛が脱けて、其の後から血がたらたらと流れた。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)