“櫛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くし91.2%
ぐし7.9%
くしけず0.3%
くしけ0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三人の王女は草の上にすわつて、ふさ/\した金の髪を、貝殻かひがらくしですいて、忘れなぐさや、百合ゆりの花を、一ぱい、飾りにさしました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
大阪に見えない鴻山こうざんはどうしたろうとか、俵一八郎の伝書鳩はどうだとか、木曾のお六ぐし朱漆しゅうるしをかけてミネに銀の金具をかぶせ
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしこれを疑う人あらば請う北海の朔風さくふうくしけずり、寒山の氷雪に浴し、鉄鎖につながれてシベリアの採鉱場に苦役する虚無党の罪人に向かってこれを問え。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ところが幾日いくかとなく洗いもくしけずりもしない髪が、あぶらあかで余の頭をうずくそうとする汚苦むさくるしさにえられなくなって、ある日床屋を呼んで、不充分ながら寝たまま頭に手を入れて顔に髪剃かみそりを当てた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お岩は体をふるわしながら鉄漿を付け、それから髪をきにかかったが、くしを入れるたびに毛が脱けて、其の後から血がたらたらと流れた。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)