“金櫛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かなぐし66.7%
きんしつ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お婆さんはまずブラシで、メリーの頭から、頸、肩、背、腰、あしという順に丹念にマッサージをして、それから金櫛かなぐしで丁寧にいた。
犬の生活 (新字新仮名) / 小山清(著)
南国なんこくの空は紺青こんじょういろに晴れていて、蜜柑の茂みをれる日が、きらきらした斑紋はんもんを、花壇の周囲まわりの砂の上に印している。厩には馬の手入をする金櫛かなぐしの音がしている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
評家久しく彼を目するに高踏派の盟主を以てす。すなはち格調定かならぬドゥ・ミュッセエ、ラマルティイヌの後にで、始て詩神の雲髪をつかみて、これに峻厳しゆんげんなる詩法の金櫛きんしつを加へたるが故也。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)