“かなぐし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
金串42.9%
金櫛28.6%
鉄串28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日はふなの料理に暮れた。爼板まないたの上でコケを取って、金串かなぐしにそれをさして、囲爐裏いろりに火を起こして焼いた。小使はそのそばでせっせと草鞋わらじを造っている。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
南国なんこくの空は紺青こんじょういろに晴れていて、蜜柑の茂みをれる日が、きらきらした斑紋はんもんを、花壇の周囲まわりの砂の上に印している。厩には馬の手入をする金櫛かなぐしの音がしている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
一かかえもあるほどな大きな七輪しちりんへ、赫々と炭をおこして、長い鉄串かなぐしへ幾切もの粕漬かすづけの塩鮭を並べて居る、焼けて溶け落ちる塩鮭の油が炭火に焦げて、ぷんぷんと香ばしい匂をたてるのであった。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)