“貝殻”のいろいろな読み方と例文
旧字:貝殼
読み方割合
かいがら86.1%
かひがら13.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左手の渚には、波がやさしい稲妻いなずまのように燃えて寄せ、右手の崖には、いちめん銀や貝殻かいがらでこさえたようなすすきのがゆれたのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
海の底に一つ沈んでぎらっと光る貝殻かいがらのように、床の上で影の中に物すごく横たわっている鏡を取り上げてふところに入れた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
三人の王女は草の上にすわつて、ふさ/\した金の髪を、貝殻かひがらくしですいて、忘れなぐさや、百合ゆりの花を、一ぱい、飾りにさしました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
それと共に、花のない桜の木には、貝殻かひがらのやうな花がさいた。あけ方の半透明な光にあふれた空にも、青ざめたきんいろの日輪が、さし昇つた。
かちかち山 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)