“朱漆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅうるし85.7%
あかうるし14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大阪に見えない鴻山こうざんはどうしたろうとか、俵一八郎の伝書鳩はどうだとか、木曾のお六ぐし朱漆しゅうるしをかけてミネに銀の金具をかぶせ
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十畳の間、真中に紙張しちょうが吊ってあって、紙張の傍に朱漆しゅうるし井桁いげたの紋をつけた葛籠つづらが一つ、その向うに行燈あんどんが置いてある。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お菊は、帯の間から、朱漆あかうるしの一かんを出して吹きだした。あしをわたる風が、ふなべりへ霜をおくように冷たかった。そして笛の穴に、彼女の息が白く見えた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男が、首からはずした胴乱を見ると、箱の左右に「諸国銘葉めいよう」とし。前には「目ざまし」とだけ記して、その下の草という字のかわりには、たばこの葉が一枚朱漆あかうるしで書いてあります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)