“葛籠”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
つづら77.8%
つゞら22.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕の素人しろうと的の考えでは、潜在識せんざいしきは知識を、心という土蔵の奥にある葛籠つづらの中に入れて、しまいこんだように思われる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
……此を高櫓たかやぐらからあり葛籠つづら背負しょつたやうに、小さく真下まっしたのぞいた、係りの役人の吃驚びっくりさよ。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この純然たる浪人生活が三十年ばかり続いたのに、源吾は刀剣、紋附もんつきの衣類、上下かみしも等を葛籠つづら一つに収めて持っていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
けちなことをお言いなさんな、お民さん、阿母おふくろ行火あんかだというのに、押入には葛籠つづらへ入って、まだ蚊帳かやがあるという騒ぎだ。」
女客 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこはふだん使わない物をしまっておくところで、古びた箪笥たんすや長持や、葛籠つづらなどが、並べたり積まれたりしてあり、まん中に畳が四帖敷いてあった。
『イヤ、何んにも』と答へたので、『それでは之を貸して上げませう。ナニお返しに成らなくても宜しい』といふので、大きな破れ葛籠つゞらを出して呉れた。
硯友社と文士劇 (新字旧仮名) / 江見水蔭(著)
そちらには長火鉢ながひばちも置いてあり、浅見と朱で書いた葛籠つゞらも備はつてゐるやうな訳で、いろ/\よく出来てゐると思つて感心したくらゐなんだから
椎の若葉 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
こんなものが両親の眼に止まっては大変ですから、お近さんは自分の葛籠つゞらの底ふかく秘めて置いて、人に見付からないようなところへ持ち出して、そっと読んでいる。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
押入の下の段に入れてあつた大一番の葛籠つゞらは蓋をしたまゝ、上から拔刀ぬきみがズブリと突つ立つて、葛籠から漏れた血が、押入の床板を赤黒く染めて居るのです。
國「孝助どん、源助どん、お気の毒だがお前方二人はうもうたぐられますよ、葛籠つゞらをこゝへ持っておで」