“黎明”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
れいめい64.2%
しののめ15.0%
よあけ10.8%
しのゝめ2.5%
あけがた1.7%
あさあけ1.7%
あけぼの0.8%
あかつき0.8%
あけ0.8%
あした0.8%
ひきあけ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
附記 明治四十四年十月、平塚らいてう(明子)さんによって『青鞜』が生れたのは、劃期的な——女性覚醒かくせい黎明れいめいの暁鐘であった。
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
燈心に花が咲いて薄暗くなった、橙黄色だいだいいろの火が、黎明しののめの窓の明りと、等分に部屋を領している。夜具はもう夜具葛籠つづらにしまってある。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
東の空が明るくなって黎明よあけが近くなっておりました。怪物は張を抱いて穴の外へ出ました。片手には弓と四五本の矢を持っておりました。
人蔘の精 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すると一心いつしんとほりましてか、満願まんぐわんの日に梅喜ばいきは疲れ果てゝ賽銭箱さいせんばこそば打倒ぶつたふれてしまふうちに、カア/\と黎明しのゝめつぐからす諸共もろとも白々しら/\が明けはなれますと
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かくて二人ふたり一山ひとやまの落ち葉燃え尽くるまで、つきぬ心を語りて黎明あけがた近くなりて西の空遠く帰りぬ。
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)
いかに黎明あさあけあさじほ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
今よりしばさき、晝にさきだつ黎明あけぼのの頃、汝の魂かの溪を飾る花の上にて汝の中に眠りゐたるとき 五二—五四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
『あゝ、何故なぜ此樣こん不運ふうん出逢であつたのであらう。』とわたくし昨夜さくやうみひたつて、全濡びつしよりになつたまゝ黎明あかつきかぜさむさうふるへてる、日出雄少年ひでをせうねんをばひざ抱上いだきあげ、いましも、太陽たいやう暫時しばし浮雲うきぐもかくれて
『今だ。咲き出づる時は今だ。おれの年頃も、世の中の黎明あけるのも。……何だか、そんな気がするなあ』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかせむわれも黎明あしたまで。
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
その夜の黎明ひきあけに、お島が酔潰えいつぶれた作太郎の寝息をうかがって、そこを飛出した頃には、おしまいまで残ってつい今し方まで座敷で騒いで、ぐでぐでに疲れた若い人達も、もう寝静ってしまっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)