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黎明
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しののめ
ふりがな文庫
“
黎明
(
しののめ
)” の例文
燈心に花が咲いて薄暗くなった、
橙黄色
(
だいだいいろ
)
の火が、
黎明
(
しののめ
)
の窓の明りと、等分に部屋を領している。夜具はもう夜具
葛籠
(
つづら
)
にしまってある。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
まだ
黎明
(
しののめ
)
の頃ほひ、赤長靴の
踵鉄
(
そこがね
)
が目につけばそこには必らずピドールカが情人のペトゥルーシャと甘いささやきを交はしてゐたわけぢや。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
お町はハラ/\して其の儘寝る事もなりませず
居
(
お
)
る
中
(
うち
)
に、カア/\と
黎明
(
しののめ
)
告
(
つぐ
)
る烏と共に文治郎は早く起きて来まして
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
黎明
(
しののめ
)
のように蒼じろく美しい
彼女
(
あれ
)
の顔も、あけぼのの水のような
彼女
(
あれ
)
の唇も見ることが出来よう。
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
天業
(
てんげふ
)
恢弘
(
くわいこう
)
の
黎明
(
しののめ
)
、鎭みに鎭む底つ
岩根
(
いはね
)
の上に
宮柱
(
みやばしら
)
太
(
ふと
)
しき立てた
橿原
(
かしはら
)
の
高御座
(
たかみくら
)
を、人皇第一代
神倭磐余彦
(
かむやまといはれひこ
)
の
天皇
(
すめらみこと
)
を、ああ、
大和
(
やまと
)
は國のまほろば、とりよろふ
青垣
(
あをがき
)
、
鵄
(
とび
)
は舞ひ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
下界を固く封鎖して
了
(
しま
)
った、この下に都府あり、
簇々
(
そうそう
)
たる人家あり、男女あり、社会あり、好悪あり、号泣放笑ありといっても、これは
黎明
(
しののめ
)
が来るまでは存在しない世界である
奥常念岳の絶巓に立つ記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
黎明
(
しののめ
)
の光が漸く障子に
仄
(
ほの
)
めいた
許
(
ばか
)
りの頃、早く行くのを競つてゐる小供等——主に高等科の——が、
戸外
(
そと
)
から声高に友達を呼起して行くのを、孝子は毎朝の様にまだ
臥床
(
とこ
)
の中で聞いたものだ。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
さうして日の光だ、雨の音だ、
清
(
すず
)
しい草花のかをり、木の葉のそよぎ、しめやかな霙、雪の羽ばたきだ。おお、さうして貧しい者には夕の赤い灯火であり、富みたる人には
黎明
(
しののめ
)
の冷たい微風となる。
愛の詩集:03 愛の詩集
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
眞闇
(
まやみ
)
に
星
(
ほし
)
を、
黎明
(
しののめ
)
の
空
(
そら
)
を、あからめ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
やや時経れば、ほのぼのとして薄明る
山際
(
やまぎは
)
の色、
黎明
(
しののめ
)
の薄樺いろに焼け明るその静けさに、日出づる前か、明鴉かをかをと二羽連れだちて羽風切る、その羽裏いよよ染みたり。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
例
(
いつ
)
になく早いので、まだ誰も来てゐなかつた。
漣
(
さざなみ
)
一つ立たぬ水槽の底には、消えかゝる星を四つ五つ
鏤
(
ちりば
)
めた
黎明
(
しののめ
)
の空が深く沈んでゐた。清洌な秋の暁の気が、いと冷かに襟元から総身に沁む。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
くだんの⦅赤い
長上衣
(
スヰートカ
)
⦆の怖ろしい取沙汰も
黎明
(
しののめ
)
の光りと共に消え失せた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
やや時経れば、ほのぼのとして
薄明
(
うすあか
)
る
山際
(
やまぎは
)
のいろ、
黎明
(
しののめ
)
の薄樺いろに焼け
明
(
あか
)
るその静けさに、日出づる前か、明鴉かをかをと二羽連れだちて羽風切る、その羽裏いよよ染みたり。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
翌朝はまだ暗いうちから取り騒いだが、大洋の
黎明
(
しののめ
)
は何ともいえずすがすがしかった。そのうちに
珈琲
(
コーヒー
)
が来る。
謄写版
(
とうしゃばん
)
刷の高麗丸新聞が配られる。この第二日もいい凪であった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
さうして日の光だ、雨の音だ、
清
(
すず
)
しい草花のかをり、木の葉のそよぎ、しめやかな霙、雪の羽ばたきだ。おお、さうして貧しい者には夕の赤い灯火であり、富みたる人には
黎明
(
しののめ
)
の冷たい微風となる。
愛の詩集:02 愛の詩集のはじめに
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しきりなく自動車とほる夜のおもて
間
(
ま
)
どほになれば
黎明
(
しののめ
)
近し
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しきりなく自動車とほる夜のおもて
間
(
ま
)
どほになれば
黎明
(
しののめ
)
近し
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聞け大陸の
黎明
(
しののめ
)
に響くは何ぞ嚠喨と
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
俟つありき、つひに来るそが
黎明
(
しののめ
)
。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
俟
(
ま
)
つありき、つひに
來
(
こ
)
むそが
黎明
(
しののめ
)
。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“黎明”の意味
《名詞》
黎明(れいめい)
夜明け。
新しい時代・文化が始まろうとする時。
(出典:Wiktionary)
黎
漢検1級
部首:⿉
15画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“黎明”で始まる語句
黎明期
黎明方
黎明比