“しののめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シノノメ
語句割合
東雲67.9%
黎明23.1%
東明5.1%
晨朝1.3%
東天1.3%
東白1.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉原の万字楼の東雲しののめの部屋に、夜明け方、宇津木兵馬はひとり起き直って、蘭燈らんとうもとに、その小指の傷を巻き直しています。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「朝は宮、昼は料理屋、夜は茶屋……」という大阪の理想である生活与件。そのイの一番に大切な信心の木履の音もしない享楽の街の東雲しののめ
大阪の朝 (新字新仮名) / 安西冬衛(著)
東雲しののめさわやかに、送つて来て別れる時、つと高くみちしるべの松明たいまつを挙げて、前途ゆくてを示して云つた。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お町はハラ/\して其の儘寝る事もなりませずうちに、カア/\と黎明しののめつぐる烏と共に文治郎は早く起きて来まして、
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
思へ、天業てんげふ恢弘くわいこう黎明しののめ、鎭みに鎭む底つ岩根いはねの上に宮柱みやばしらふとしき立てた橿原かしはら高御座たかみくら
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
燈心に花が咲いて薄暗くなった、橙黄色だいだいいろの火が、黎明しののめの窓の明りと、等分に部屋を領している。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
やがてポルタ・カプチイニの方にかすかな東明しののめの光が漏れたと思うと、救世主のエルサレム入城を記念する寺の鐘が一時に鳴り出した。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
一つは信州浅間山の頂上から東明しののめの雲の海の上に遥かに望んだ時、一つは上総の海岸から、恐しい木枯が急に吹きやんだ後の深い朱色の夕焼の空に眺めた時、その他あれこれ。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
保津川ほづがはの水に沿ふなる女松山めまつやま幹むらさきに東明しののめするも
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
じきに押しかゝりては人馬ともに力疲れて気衰ふべければ、明暁野村三田村へ陣替ありて一息つぎ、二十八日の晨朝しののめに信長の本陣へ不意に切掛り、急にこれを攻めれば敵は思ひよらずして周章すべし
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
蒋幹はわざと大きく伸びをしながらそう呟いてみた。周瑜は眼を覚まさない。しめたと、厠へ立つふりをして、内房から飛び出した。外はまだ暁闇、わずかに東天しののめの空が紅い。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東白しののめの空のほのめき——
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)