東明しののめ)” の例文
やがてポルタ・カプチイニの方にかすかな東明しののめの光が漏れたと思うと、救世主のエルサレム入城を記念する寺の鐘が一時に鳴り出した。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
一つは信州浅間山の頂上から東明しののめの雲の海の上に遥かに望んだ時、一つは上総の海岸から、恐しい木枯が急に吹きやんだ後の深い朱色の夕焼の空に眺めた時、その他あれこれ。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
保津川ほづがはの水に沿ふなる女松山めまつやま幹むらさきに東明しののめするも
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
東明しののめの空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く