“例”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ためし27.4%
れい21.2%
いつも15.5%
たと13.2%
ため9.4%
いつ8.5%
たとえ1.4%
つね1.2%
ならい0.5%
ならひ0.3%
ならはし0.2%
いつぞ0.2%
こと0.2%
なぞら0.2%
はなし0.2%
エキザンプル0.2%
タメ0.2%
タメシ0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平素ふだんめつたに思出したためしも無いやうなことが、しかも昨日きのふあつたことゝ言ふよりも今日あつたことのやうに、生々と浮んで来た。
(新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
学校の講義から得た知識ですら滅多めったに実際の役に立ったためしのない今の勤め向きとはほとんど没交渉と云ってもいいくらいのものであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いやわしくさみ一つせぬくらゐ、おふくろときたまれいみちやつはじめるがの
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このとき、またおかしかつたのはれい平松刑事ひらまつけいじが、相変あいかわらず金魚きんぎょのことをにしていたことである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
其時も叔父は、私におあしを呉れる事を忘れなかつた。母はいつもの如く不興な顔をして叔父を見てゐたが、四周あたりに人の居なくなつた時、
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
めそ/\めそ/\泣き出せば、お吉は夫の顔を見て、いつもの癖が出て来たかと困つた風情は仕ながらも自己おのれの胸にものつそりの憎さがあれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
たとへば阿蘇山あそざん活動かつどう中心ちゆうしんたる中岳なかだけ南北なんぼくなが噴火口ふんかこうゆう
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たとえば芭蕉ばしょうの思想も、突として芭蕉にはじまったものではなくて、既に何百年か前の、連歌の宗祇そうぎの思想に根ざしている。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
傅次郎を殺した刄物は——井戸の中か、縁の下の土の中か、いや、いや、いつぞや材木屋で、銘木のうつろの中に物を隱して置いたためしがある。
ひきはなれてまた何時いつかはふべき、定離ぢやうりためしを此處こヽれば、こひ一人ひとりやすかりける
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よりによって順平のお母が産気づいて、いつもは自転車に乗って来るべき産婆が雨降っているからとて傘さして高下駄はいてとぼ/\と辛気臭かった。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
智恵子を訪ねた日は、大抵その足で信吾は富江を訪ねる。富江はいつに変らぬ調子で男を迎へる。信吾はニヤ/\心で笑ひ乍ら川崎のうちへ帰る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
たとえを申したのじゃ。何も難しい意味ではない。そなたが嫁ぐ山木判官兼隆は、幸いにも、平氏の同族。——末長う、貞節にかしずけよ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又は変態怪奇を極めた所業しわざを平気で演じて行くたとえは、随分沢山に伝わっておりますので……いわんや若林博士のような特殊な体質と頭脳を持った人間が
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いつもは何より先に薔薇の蕾など数へたまふ間に、我は用意の夕膳端近う据ゆるを四寸は我に譲りて快く箸とり上げたまふがつねなるに。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
いたばかりでも、つね身毛みのけ彌立よだったが、大事だいじみさをつるためなら、躊躇ちゅうちょせいで敢行してのけう。
世上のならいをもってせば、この人まさに金屋に入り、瑶輿たまのこしに乗るべきなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
霊肉共に許した恋人のならいとして、いかようにしても離れまいとするのである。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
常は一人ひとりのひと取らるゝならひなるに、我等は二人ふたりながら彼處かしこにとられき、我等のいかなる者なりしやは今もガルディンゴの附近あたりを見てしるべし —一〇八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
母の家も祖父の沒後よく世にあるならひの武士の商法とかで、山林に手を出し、地方唯一の名望家として政治屋にまた盛に擔ぎ上げられたが爲めに瞬く間に財産を傾け盡くして、今はあの白い天守の屋根に屋根の艸が秋毎に赤い實をつくる外には、廣い屋敷は見るかげもなく荒れはてて了つた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
氏はまたその小説にさへ読み耽る事の出来ない程の、ほんの一寸した閑を見つけた折には、窓硝子まどがらすを指先で叩き/\、下らぬ小唄をうたならはしになつてゐる。
島氏は困つたやうに頭へ手をやつた。成程さう聞いてみると、幸福者しあはせものだとも言へないらしかつた。飯と酒とそれから今一つの外には、別に世界のある事を知らないのが実業家のならはしだから……。
「お嬢様、いつぞの花売の娘が参っております。若様、もうお忘れ遊ばしたでしょう、冷水おひやは毒でございますよ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは先方むこうも気の毒、浪もかあいそうなよなものじゃが、病気すっがわるかじゃなッか。何と思われたて、川島家が断絶するよかまだええじゃなッか、なあ。それに不義理の不人情の言いなはるが、こんなことは世間に幾らもあります。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
領主の妻は、高い岩の頂きに住み、海の人魚に歌を送り、わが身を人魚になぞらえていた。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
第一此罪人を男か女かとお考えなさい、アノ傷で見ればしぬる迄に余ほど闘った者ですが女ならアレほど闘う中に早く男に刃物を奪取うばいとられて反対あべこべに殺されます、又背中の傷はにげた証拠です、相手が女なら容易の事では逃げません、夫に又女は—(荻)イヤ女で無い事は理屈に及ばぬ箱屋殺しの様なはなしも有るけれど夫は不意打
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そうしてその揚句にエキザンプルでも挙げる気だったんだろう。
片恋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
軍ヲ見給フコト、神ノ如ク、戦フヤ果断、守ルヤ森厳、度量ハ江海カウカイノ如ク、オン眼ハ常ニナゴミ給ヒ、イカナル困難ノ時ニアリトモ、イタヅラニ狂躁キヤウサウ御唇オクチヲヒラキ給ヘルタメシアルコトヲ知ラズ
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こう二つの足らない強力な信玄政治は、却って一族の和を齟齬そごしはじめた。ひいては、信玄時代には、上下一般の信条だった——甲州ノ四境ハ一歩モ敵ニ踏マセタルタメシナシ——という誇りにも、
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)