“ならい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.8%
奈良井11.9%
習慣10.4%
北風9.0%
4.5%
慣習4.5%
常習1.5%
性情1.5%
慣例1.5%
朔風1.5%
(他:6)8.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日は暮れたれど暑き頃なるに、窓ことごとくあけはなちはせで、かかる烟の中に居るも、ならいとなりたるなるべし。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
孔子の「ならい」、基督キリストの「罪」、釈迦の「ごう」等いう言葉は、この意味を含んでいはしまいかと思われる。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「お泊まりなすっておいでなさい。奈良井ならいのお宿やどはこちらでございます。浪花講なにわこう御定宿おじょうやどはこちらでございます。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
洗馬から本山もとやまへ出、本山から新川にいがわ奈良井ならいへ出て、奈良井から藪原やぶはらへ参りまするには、此の間に鳥居峠とりいとうげがございます。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「チェ、残念!」と人影は、舌打つ音を響かせたが、「吾を盗人と云わば云え! 切取り強盗は戦国の習慣ならい! われに恥ずるところ少しもなし!」カラカラとばかり大きく笑った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
古郷ふるさと涅槃会ねはんえには、はだに抱き、たもとに捧げて、町方の娘たち、一人が三ツ二ツ手毬を携え、同じように着飾って、山寺へ来て突競つきくらを戯れる習慣ならいがある。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
辻に黒山を築いた、が北風ならいの通す、寒い背後うしろからやぶを押分けるように、ステッキで背伸びをして、
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吾妻橋あづまばしを渡りに掛ると、空は一面に曇って雪模様、風は少し北風ならいが強く、ドブン/\と橋間はしまへ打ち附ける浪の音
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
世上のならいをもってせば、この人まさに金屋に入り、瑶輿たまのこしに乗るべきなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
霊肉共に許した恋人のならいとして、いかようにしても離れまいとするのである。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
……伊達だて煙管きせるは、煙を吸うより、手すさみのしぐさが多い慣習ならいである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……伊達だて煙管きせるは、煙を吸ふより、手すさみのしぐさが多い慣習ならいである。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このようなところにも世の乱れとてぜひもなく、このころいくさがあッたと見え、そこここには腐れた、見るも情ない死骸しがいが数多く散ッているが、戦国の常習ならい、それを葬ッてやる和尚おしょうもなく
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
そのとおり、王侯のきさきさえも、犯したいと思うのが性情ならいなのじゃ。そのゆえ、遊女には上﨟じょうろう風のよそおいをさせて、太夫だゆう様、此君このきみ様などともいい、客よりも上座にすえるのです。それも、一つには、客としての見識だろうと思いますがのう。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
心に不悦まずさのある人の免れがたき慣例ならいなり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それからこうくと丁度朔風ならいと申して四月時分も北風が吹く事がありまして、舟は益々早く、忽ち只今なれば四時間ばかりで天神山の松屋と云う馴染の所へ参りました。
どうも今朝五時頃に裾野に靡いていた雲で見ると私は東南風ならいらしいと見たがという人が居ると、イヤ、あれは確かに西風にしだ、今こそ斯う不気味に凪いでいるがやがてこれが月の落ちぐちにでもなったらどっと吹いて来ましょうよという老人もある。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)
「すがの荒野」を地名とすると、和名鈔わみょうしょうの筑摩郡苧賀ソガ郷で、あずさ川と楢井ならい川との間の曠野こうやだとする説(地名辞書)が有力だが、他にも説があって一定しない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……(寒い風だよ、ちょぼ一風いちかぜは、しわりごわりと吹いて来る)と田越村たごえむら一番の若衆わかいしゅうが、泣声を立てる、大根の煮える、富士おろし、西北風ならいの烈しい夕暮に、いそがしいのと
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヒマラヤ・カラコルムに吹きつける、狂暴な西南風ならい
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
山三郎はじり/\して居りますが、何うも仕方がない、朝の内は西風ならいが吹き、昼少々前から東風こちから南風みなみかぜに変って、彼是れ今の四時頃に漸く浦賀へ這入りました。
無念は言葉にも尽せぬが、それより一層恐ろしいのは、この西班牙イスパニア風習ならいとして屍骸なきがらに首のない時は、天界に産れ変わることが出来ないのじゃ。それ故淵に沈んでいる父の白骨の胴体は、木曽家の宝蔵の中にある、髑髏の盃を恋い慕い、またその髑髏の盃は淵の底の白骨を慕うている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)