“屍骸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しがい73.7%
なきがら6.6%
むくろ6.6%
しげえ3.9%
しかばね2.6%
かばね1.3%
しにがら1.3%
しんだもの1.3%
たま1.3%
ほとけ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ハハハハハ。亡霊を退治に来たというのかい。なるほど、それもよかろ。……だが、その少年の屍骸しがいに触れてもらいたくはない」
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
首をねた後の屍骸なきがらを、無慙むざんな木曽家の奴ばらは巴ヶ淵へ蹴込んだのだ。いまだに私の屍骸は、巴ヶ淵の底にある。そればかりではない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小谷間こたにあいの、いささか風雨を避けた地点ところに、白髪頭を土にり込まして、草加屋伊兵衛の血だらけの屍骸むくろが、仰向けに倒れていた。
かしら、梯子を持って来て屍骸しげえを下ろしておくんなせえ。なに、綱は上の方から引っ切ったってかまうもんか。それから、彦、なにを手前はぼやぼやしてやがる。
そのまま腹を掻っばき、草に屍骸しかばねを埋ずめると見るや、今まで見えていた城も焔も、目に余る寄せ手の大軍も、きらびやかなりし館さえ、また座に在った美しい前髪立ちの主人さえ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
無残の屍骸かばねらすということは、特に『心臓捕り事件』として、つとに報じた所であるが、今暁復もや其犠牲者が、川口の水面に浮かんで来た。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
互に顔も知らねば名も知らぬ人々である、しかして、二人が呼吸のある屍骸しにがらを抱き合わないばかりによこたえているところは、高く人寰じんかんを絶し、近く天球をする雲の表の、一片の固形塊ソリッド・マッス
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
なんとゆつても、まるで屍骸しんだもののやうに、ひツくりかへつてはもう正體しやうたいなにもありません。はりすゝもまひだすやうないびきです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
屍骸たま発見めっけたなあ誰だ?」
鈴のような眼を真っ赤に泣き腫らして、屍骸ほとけの傍に坐わっていた。ちだこの見える細い指で、死人の顔を覆った白布を直しながら応えた。