屍骸しげえ)” の例文
かしら、梯子を持って来て屍骸しげえを下ろしておくんなせえ。なに、綱は上の方から引っ切ったってかまうもんか。それから、彦、なにを手前はぼやぼやしてやがる。
「これは、これは、八丁堀の親分。ようこそ——と言いてえが、どうもとんだことで、さ、さ、ずっと——なにさ、屍骸しげえはまだそっとそのままにして置場にありやすよ。」
この上は地を掘り返してもお定の屍骸しげえ発見めっけて、それを駒蔵の面へ叩きつけてやらなけりゃあ腹の虫が納まらねえ、と頭の中で考えながら箱崎橋の真中に仁王立ちに突っ立った藤吉は
踊るように、ちょっと写ってすぐ消えましたが、あっしゃあ誰かと思って近づいてみますと、だれも人はいねえで、この屍骸しげえ——武右衛門さんが倒れていたのでございます。酔興すいきょうにも程がある。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)