“むくろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムクロ
語句割合
49.2%
9.2%
9.2%
死骸8.5%
空骸8.5%
亡骸4.6%
屍骸3.8%
遺骸1.5%
骸骨1.5%
形骸0.8%
惨屍0.8%
死体0.8%
死屍0.8%
身体0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よ、かしらなきむくろ金鎧きんがい一縮いつしゆくしてほこよこたへ、片手かたてげつゝうままたがり、砂煙すなけむりはらつてトツ/\とぢんかへる。陣中ぢんちうあにおどろかざらんや。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よし絶念め得たりとも絶念めての後には徒らにむくろの小室がうごめく許りとおもへ。只に歡樂の盡きしといふのみならば、人は猶永らへ得べし。
古代之少女 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
そして朝は、雪のつもつたいしだたみの上に冷めたいむくろをさらすにしても。女に会ひたい思ひよりも、女を探す決意の方が、遥かに激しくなるのであつた。
下男共げなんどもて、かれ手足てあしり、小聖堂こせいだうはこつたが、かれいまめいせずして、死骸むくろだいうへ横臥よこたはつてゐる。つてつき影暗かげくらかれてらした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
したが私は、誓って終局のかぎが、ベーリング島にあると思うのです。そして、ベーリングの空骸むくろに印された遺書を見るまでは、なんで黄金郷の夢が捨てられましょうぞ
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
なまぐさい血汐に眼鼻めはなたれて、思わず押えた手をゆるめると、敵の亡骸むくろはがっくりと倒れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こういう不思議な殺され方で大道へ屍骸むくろを晒らした者は班長ばかりではないのであった。先刻も云った通り政府筋の高位顕官が殺されたのみならず南方は広東でも民党の有力者が殺された。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
捕吏とりての中には三吉始め富五郎の顔を見知った者も多かったから、紛れもなくお探ね者の卍の遺骸むくろとは皆が一眼で看て取ったものの、残念ながら天命とあっては致し方がない。
井戸ある屋後をくごへ廻ると、此処は半反歩許りの野菜畑で、霜枯れて地に伏した里芋の広葉や、紫の色せて茎許りの茄子の、痩せた骸骨むくろを並べてゐる畝や、抜き残された大根のこはばんた葉の上に
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
栗色の駿馬しゅんめに乗り、大斧をふりかぶって、郭汜かくしの人数を蹴ちらして来た。それに当る者は、ほとんど血煙と化して、満足な形骸むくろも止めなかった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
【血に汚れし殺人者、惨屍むくろのかたわらに来たるときは、きず破れて血を流すと云う】
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「昔あここも戦場だった。土城一面に兵士共の死体むくろがごろごろしとったよ。え、怖ろしいこってねえか、全く、それも甲午乱(日清戦役)のこったけにもう五十年も近うなるだ……」
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
網に死屍むくろを引き揚げて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
今、われ汝の人とりをみるに、身体むくろ長大たかく容貌かほ端正きらきらし、力能くかなへぐ、猛きこと雷電いかづちの如く、向ふ所かたきなく、攻むる所必ず勝つ。即ち知る、形は則ち我が子にて、実は即ち神人かみなり。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)