“死骸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しがい86.8%
なきがら5.1%
むくろ3.5%
しげえ1.9%
しにがら0.6%
なきから0.6%
から0.3%
しがひ0.3%
しげい0.3%
コツ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かんがへてりやあ生身なまみをぐつ/\煮着につけたのだ、尾頭をかしらのあるものの死骸しがいだとおもふと、氣味きみわるくツてべられねえツて、左樣さういふんだ。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と見れば、貞造の死骸なきがらの、恩愛にかれて動くのが、筵に響いて身に染みるように、道子の膝は打震いつつ、かすかに唱名の声が漏れる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それならばしかじか斯々かくかくじゃと言う出家の話から騒ぎが大きくなってすぐに人が飛ぶ、谷底から死骸むくろが運ばれて来る。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
床下よかしたから死骸しげえが出る所を見ると、屹度けっと調べをなければ成らぬと、お役所やこしょまでまえれとたちまちきり/\っといましめられて、庄吉が引かれみしたと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
夜半の満潮に打上げられた海藻の、重く湿ツた死骸しにがらが処々に散らばツて、さも力無げに逶迤のたくつて居る許り。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
辞世じせいとて口碑こうひにつたふる哥に「岩坂のぬしたれぞとひととは墨絵すみゑかきし松風の音」遺言ゐげんなりとて死骸なきから不埋うづめず、今天保九をさる事四百七十七年にいたりて枯骸こがいいけるが如し。是を越後廿四奇の一にかぞふ。
叔父のたおれている座敷には、帯や時計や紙入れや飲食いした死骸からなどがだらしなく散らばっていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わしも気の毒になって、死骸しげいを小川村へ送って往って身の上話をすると、あんたのあにさんも、わしも元は先祖が一つで、一人は沼田へ出て百姓になり
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ハハハ。そんなこたアもうどうでもいいんだ。今日は文句はねえ。手前てめえ行って大ビラであの死骸コツを片付けて来い。船長おやじには俺が行って話を付けてやる」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)