“墨絵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すみえ66.7%
すみゑ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
本堂内陣ないじん横の橋廊下をこえ、さらに大廊下に従って、墨絵すみえ金碧こんぺき、何の間と、幾つも数えて行かなければ、彼の声は洩れ聞えて来ない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、墨絵すみえかれたまちは、くろて、まち屋根やねあかめて、夕焼ゆうやけのそらが、ものがなしくえていたのです。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と見るもなく初秋しよしう黄昏たそがれは幕のおりるやうに早く夜にかはつた。流れる水がいやにまぶしくきら/\光り出して、渡船わたしぶねに乗つてる人の形をくつきりと墨絵すみゑのやうに黒くめ出した。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
辞世じせいとて口碑こうひにつたふる哥に「岩坂のぬしたれぞとひととは墨絵すみゑかきし松風の音」遺言ゐげんなりとて死骸なきから不埋うづめず、今天保九をさる事四百七十七年にいたりて枯骸こがいいけるが如し。是を越後廿四奇の一にかぞふ。